先日の郵政3社の上場以来日本の株式市場は売買代金・出来高共に賑わっており、日経平均株価も大きく戻してきました。
2万円台まであと少しの所まで来ました。
そのような投資環境の中で、8月・9月の低迷期に恐怖に耐えて投資をされた方は現在利益が出ている状況の方も多くいらっしゃると思います。
では、この利益が出ている状態をどうするのか? 悩ましく思っていらっしゃる方も多いのではないかと思います。
そこで、今回は「投資した金融商品の利益確定について」触れてみたいと思います!
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目次
投資した金融商品に含み益が出た
金融商品といっても様々あります。
国債
社債
株式
FX 等々
以下一例として先日の郵政3社の新規公開株のうち日本郵政が当選し700株持っていると仮定してお伝えしたいと思います。(初期投資金額を約100万円と設定できるため)
現在株価 1700円
含み益 210,000円
とします。
この状態の時に果たして利益確定して売却するのがよいのか?
はたまた、まだまだ保有し続けて今後配当金を得て投資を続けるのか?
それとも、約半数利益確定して半数は持ち続けるなど様々な方法があります。
では、いったいどうしたらよいのか?
含み益が出た時にとるべき行動とは
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それは、今回の当初資金である約100万円の資金についてこの資金がそれぞれ
投資した方の資産状況・生活状況(資金需要)によって全く違うということを今回はお伝えしようと思います。
資産1億円保有されている方がこの株をお持ちの場合
資産1億円に対して現在の含み益は21万円! ということは資産に対する含み益割合はわずか0.21%
もしも、今後株価が1,500円に下がっても含み益は7万円あり、資産対する含み益割合はわずか0.07%
この間の全資産に対する変動は0.14%であり金額にして14万円です。
いかがでしょうか?
保有している資産が他に9900万円あれば、今回の投資の本来の目的はわずかながらでも配当収益を得るための投資であったり、売却利益が30%という目標をもって投資したなど、明確な目的があればあたふたせずに投資スタンスを取る事が出来ます。
また、突発的な資金需要が発生したとしても、今回の投資金額を取り崩すことなく処理できることが可能です。
資産1,000万円保有されている方がこの株をお持ちの方の場合
資産1,000万円に対しての現在の含み益は21万円! ということは資産に対する含み益割合は2.1%
もしも、今後株価が1,500円に下がっても含み益は7万円あり、資産に対する含み益割合は0.7%
この間の全資産に対する変動率は1.4%であり金額にして14万円です。
こちらの場合もいかがでしょうか?
変動率がすこし大きめに感じられる数字になってきました!
しかし、こちらの場合においても、今回の投資の本来の目的が配当収益を得るための投資で有ったり、売却利益が30%という目標をもって投資したなど、明確な目的があればあたふたせずに投資スタンスを取る事が出来ます。
ただし、生活資金として必要な資金需要が発生したり、今回は一時売却をしてさらに効率の良い投資先へ資金を回すために売却するということは十分あり得る選択だと思います。こちらの方は資金全体が大きくない中での10%を当初の投資資金として投入していますので、今後の生活の資金需要の為に換金売りするなど、機動的な利益確定も良しとできると感じます。
資産100万円保有されている方がこの株をお持ちの方の場合
資産100万円に対しての現在の含み益は21万円! ということは資産に対する含み益割合は21%
もしも、今後株価が1,500円に下がっても含み益は7万円あり、資産に対する含み益割合は7%
この間の全資産に対する変動率は14%であり金額にして14万円です。
こちらの場合もいかがでしょうか?
変動率がかなり大きく感じられますね!
今回の投資は本来はお勧めできませんが、金融資産の全てを初期投資金として投入しています。新規公開株の特徴でもある、上場後の値上がり益を狙った短期売買が目的であれば当然売却ということが考えられます。
全資産を投入してしまっているので、一点集中で今後も配当収益を狙った投資ということは、分散投資の必要性をお伝えしているファイナンシャルプランナーとしては不安がありますので、保有している株数の一部の売却なども考えられると思います。
まとめ
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上記のように見てきましたように、
同じ約100万円の投資においても、保有資産の状況や生活資金需要などによって売却のタイミングは様々であります。株価を見て含み益が減っていくと不安になりすぐに売りたくなるという心理も往々にしてあります。
しかし、人の心理は今度少しでも含み損になると、そのうちもとに戻すだろうと思い込み結局売却できずに持ち続けるという悪循環に陥ることも往々にしてあります。
いつ売り抜ければよいのかというタイミングは、投資の世界においては結果論でしか説明できないものであると感じています。
ということは、投資された方のスタンスと資金需要により保有・又売却を考え、資産全体に対する変動率を見ることにより僅かな株価の変動に一喜一憂することなく投資されることが望ましいと感じます。少しでもご参考になれば幸いです。(執筆者:瀧澤 宏行)