株式売買を行う上で、手軽にそのタイミングを判断できるツールがあれば便利ですよね。もちろん、そのようなものは存在しないと言えばそれまでです。けれども中には、活用の仕方によっては拠り所とすることが可能なものもあります。
チャートや移動平均線は昔から、売買のタイミングを計る目安として利用されてきました。例えば異なる平均日数による移動平均線をチャート上に描くことで、その銘柄の動きを掴むことができます。
そして、長期の移動平均線を短期の移動平均線が下から上へ抜けるゴールデンクロスや、逆に上から下へ抜けるデッドクロスもひとつの目安とされています。それぞれ、以降の上昇や下降へつながる可能性が高いとされるものです。
実際にこれをどのように利用するかが問題となります。その理由は、クロスした時点ではすでに株価は大きく動いていることが多いからです。つまり、クロスしたことを確認してからの売りや買いでは遅いことが多いというわけです。
そこで、そのゴールデンクロスやデッドクロスを形成する前の日足の動きに注目です。例として【1419】タマホームのチャートを見てみます。
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緑色の線=5日移動平均線
赤色の線=25日平均
青色の線=75日平均
これは、12月11日の時点でゴールデンクロスを形成しそうな銘柄としてピックアップされたチャートです。
75日移動平均線を25日移動平均線が上抜けば、大きく上昇することが期待できる場面です。過去の動きを見てみると、25日移動平均線を5日移動平均線が上抜いてから、底値を割ることがないのがわかります。
さらにその前を見てみると、途中にダマシと呼ばれる動きを見せつつも、5日移動平均線を抵抗線として動いている日足がそれを抜けた後に、25日移動平均線と5日移動平均線とのゴールデンクロスが形成されています。
つまり、日足が抵抗線である5日移動平均線を抜けて買いを入れ、ゴールデンクロス形成で買い増しといった方法を取ることができることになります。
このように、ある程度の決まったパターンが現れることにより、ゴールデンクロスやデッドクロスの形成される前の動きを見てから仕掛けることができることがわかります。
もちろん、どうも雲行きが怪しいとなればすぐに切れるように、いわゆる試し玉を入れながらの売買の技術は必要になります。けれども、その技術を磨くための拠り所としては利用できるものとなります。
日刊ゴールデンクロス
http://www.goldencross.jp
上記は本コラムでも紹介したゴールデンクロス発生をチェックできるサイトです(執筆者:田畑 允彦)