ペット保険とは、その名の通り、犬や猫などのペットが病気や怪我をした時に、その治療費や入院費が補償される保険です。
健康保険により守られている人間と違い、動物には健康保険が適用されないため、動物病院での支払いは全額自己負担となります。
動物病院での支払いは全額自己負担
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では、実際に、中型犬が骨折を含む大けがをした場合の支払い例を見てみましょう。
・入院費(10日間) 40,000円
・痛み止め注射 4,000円
・薬剤費 6,000円
・麻酔・手術費 40,000円
・検査料 3,000円
この約10万円の医療費が、全額自己負担です。
どんなに大切なペットでも、いきなり治療費に10万円かかると言われたら、困惑してしまいますよね。この高額な医療費が原因で、ペットを動物病院に連れて行けなかったという家庭も多いようです。
大事な家族が病気や怪我をしてつらい思いをしているのに、お金が原因で助けてあげられない……。そんな状態にならないためにも、きちんとペット保険をかけておきましょう。
ペット保険の正しい選び方
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ペット保険は、人間の医療保険とは補償のしくみ違うものです。そのため、
補償内容の選び方次第で、保険料に月数百円~数千円と数倍近い差が発生します。
ペット保険を選ぶ際のポイントは、ズバリ『免責金額』と『補償割合』のふたつの補償のバランスです。
免責金額とは、1回の診察で自己負担になる額のこと、補償割合は、医療費の何%を保険から支払うという割合設定のことを指します。
ペット保険は、健康保険が適用されないため、人間の医療保険より、保険料が高めです。
そのため、ペット保険では、免責部分や補償割合を設定することで自己負担部分を作り、月々の保険料を安くする工夫がなされています。
では、わかりやすく保険料のプラン別に、支払いイメージの例をあげてみてみましょう。
治療費5万円。補償割合100%。免責金額がゼロ。
ペット保険からの補償 (5万×1.0)-0=5万円。自己負担0円。
治療費5万円。補償割合80%。免責1万円。
ペット保険からの補償 (5万-1万)×0.8=3万2,000円。自己負担1万8,000円。
利用費5万円。補償割合50%、免責1万5,000円。
ペット保険からの補償 (5万-1万5,000)×0.5=1万7,500円。自己負担3万2,500円。
この例からわかるように、ペット保険は支払い保険料が安いほど、自己負担金が多くなってしまいます。
毎月の保険料負担を減らすのか、もしもの時の自己負担を減らすかのか、その辺りの判断は、家計状況やペットの病気リスクにもよるため、なかなか難しいところです。
個人的には、自分が支払える保険料の目安を先に決めてから、補償割合と免責金額のバランスを調整するという方法をおすすめします。
大事なペットのための保険ですが、家計を圧迫しない範囲での設定が一番です。
最後に、ペット保険の免責金額や補償割合、保険料金の設定は、各保険業者ごとに異なっており、飼っているペットの種類や年齢によっても違います。
保険料について詳しく知りたい方は、ペット保険を取り扱っている業者を探して、具体的な見積りをとってみると良いでしょう。(執筆者:吉武 なおこ)