我が子に対する親の思いは複雑で切実。
多くを望んではいけないと分かっていても、自分の経験からいろいろな思いが募ってくるもの。「ゆとり教育」の時代が終わり、勉強に対しての取り組み方は変化しつつあります。
その一方で運動能力の方は年々伸び悩み、目立った解決策も見出せないままになっています。
「運動も得意な子になってほしい…」そんな親の思いは届くのでしょうか。
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目次
本当は外で遊ばせたいけれど
何か一つは得意なスポーツを持ってほしいというのが、子を持つ多くの親の願い。
しかしながらゆとり教育が終わったことで、授業時間や学習内容が増え、子ども達の遊ぶ時間も少なくなる一方。
子どもを標的にした凶悪な事件も後を絶たないことから、外で遊ばせることに不安を感じる保護者も少なくありません。
そうなるとどうしても家の中で遊ばせることになり、ゲームで遊ぶぐらいしか選択肢もなくなってしまいます。
「出来れば外で体を動かして遊んでほしい」
という本音があるだけに、何となく消化不良的な日々を送ることになります。
スポーツ教室も多種多様に
そんな親の思いに着目したのが、スポーツ教室。
スポーツ教室の代表格と言えば昔からあるスイミングスクールですが、現在は多種多様。
・新体操
・ダンス
・エアロビクス
・野球
・テニス
・サッカー
・スカッシュ
など、驚くべきラインナップ。
ひとつひとつのスポーツが細かくレベル別のコースに分けられていて、年齢に応じた内容なども設定されています。
「ルネサンス ジュニアスクール」の幼児コースの一例では、
↓
リズム運動…音への反応、集中力や表現力を養う
↓
基本的運動…心と身体をコントロールする調整力を身に付ける
↓
操作運動…ボールやなわとびを使った運動 手先が器用になる
↓
器具を使った運動…跳び箱、鉄棒、マットを利用してバランス・回転の感覚を身に付ける
↓
ゲーム…ルールを守って友達と仲良くする集団意識を学習する
↓
挨拶、汗拭き、うがい
これらの項目を10分間隔で行ない、トータル60分となっています。
この会費、高い? 安い?
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クラブやスポーツの種類、コースによって料金は様々ですが、月会費は6,000円~1万3,000円程度(コナミスポーツクラブの料金設定を参考)となっています。
この金額を高いと見るか安いと見るかは価値観の問題。
せっかくスポーツクラブで習わせたものの、「ほかのスポーツがやりたい」と言い出すケースも少なくありません。
「今まで注ぎ込んできた時間やお金は無駄になっちゃうの?」と思ってしまいがちですが、子どもに習い事をさせる場合はそんなケースを想定しておく覚悟も必要です。
また全てが無駄になってしまう訳ではなく、身体の使い方などの基本的な部分はクリアしていることが多いので、何事も経験なのだとおおらかな気持ちで対応しましょう。
自由にやらせることが大切という意見も
一方で小学校の低学年までは特定のスポーツばかりをやらせるのではなく、様々な動きを身に付けることが重要とも言われています。
特定のスポーツをやらせることにより、偏った部位の使い過ぎによるケガなどを避けられるというメリットもあります。自由に遊ばせることで意欲や集中力、想像力が高まり、運動能力の発達に繋がります。
親は子どもが身体を動かして遊べる環境で見守る姿勢が大切。
自分の子どもの頃を思い出し、焦らずゆっくり育てることも必要なのかも知れません。
経験は人生の宝物
それによっていろいろな夢や選択肢が広がります。
何を重要視して、子育てをしていくかは各家庭の考え方によって異なります。
いずれにしても「子どもが楽しんで取り組める」ことが一番大切なことと言えるでしょう。(執筆者:藤 なつき)