2015年10月に兵庫県で自転車保険加入を義務化する条例が施行され、大阪府でも同様の条例案が提出されたことが、つい先日ニュースとなりました。
最近では、条例の制定されていない地域でも、多くの学校が登校用の自転車に対して『自転車保険』または『自転車保険と同等の補償内容の保険』への加入を義務付けており、保険への加入証明書を提出しなければ学校への乗り入れができないようになっています。
ここで、注意しておきたいのが『自転車保険』または『自転車保険と同等の補償内容の保険』への加入を義務付け、という文面です。
実は、すでになにかしらの保険に加入していた場合、自転車保険と同じ補償内容の保険に加入している可能性があります。
ここでは、気になる
「自転車保険と同等の補償内容の保険」
とは何か? の2点について、詳しく解説していこうと思います。
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目次
自転車保険ってどんな保険?
自転車保険とは、自転車事故による自分の怪我への補償と、自転車事故によって損害を与えてしまった物や人への個人賠償責任補償の2点で構成された自転車用の保険です。
保険会社によっては、自転車事故に限らず、歩行中の交通事故や日常の怪我に補償範囲が拡大されていたり、自転車のロードサービスがついている場合もあります。
たくさん補償がついているほうが、もしもの時に便利ですが、補償範囲が広く、隙のない自転車保険ほど年間保険料が高くなるので注意しましょう。
自転車保険の補償内容は、保険会社独自のものが多く、年間保険料2,000円程度の手軽なものから、年間1万円以上するものまで様々です。
加入を検討する際には、補償のいる・いらないをしっかりと吟味して、保険料の比較検討を行うようにしましょう。
自転車保険と同等の補償内容の保険って何があるの?
では、気になる『自転車保険と同等の補償内容の保険』とは何か? についてお話します。
自転車保険に必要な最低限の補償とは、以下の2点です。
・ 自転車事故によって負った自分の怪我の補償 ※
この2つの補償があれば、自転車保険と同等の保険に加入していることになります。
※ 自転車保険の加入証明については、個人賠償責任保険だけで良い場合もあるので、提出する先の資料を良く読み、必要な補償が何かご自分でも調べてみてください。
個人賠償責任補償
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以前にも詳しい記事を書きましたが、個人賠償責任補償とは、契約者および被保険者が日常生活の中で他人に誤って怪我を負わせたり、他人所有の物を壊したことで、損害賠償金や弁護士費用の負担があった場合、その損害を補償する保険です。
自転車事故に限らず、日常生活の中で起こり得る賠償責任問題が広範囲で補償されます。
個人賠償責任保険の被保険者は、契約者およびその家族(家計を同一にする別居の子も含む)となります。家族にひとつあれば良いので、ひとりずつ加入する必要はありません。
こちらの個人賠償責任補償は、自動車保険や火災保険の特約として、セットされていることが多い保険です。
最近では、子供の起こした自転車事故で1億円超の賠償責任が発生したケースや痴呆症老人が徘徊中に起こした鉄道事故の賠償訴訟などがニュースで取り上げられ、みなさんの記憶にも新しいかと思います。
以前に比べ、積極的に火災保険や自動車保険の特約として、個人賠償責任補償を付ける人が増えており、保険営業員にすすめられて、すでに個人賠償責任補償をセットしている方もいらっしゃることでしょう。
こちらは、一家にひとつで良い補償です。ご自宅の火災保険や自動車保険に個人賠償責任補償特約がついているか、事前に確認しておくようと良いでしょう。
自転車事故によって負った自分の怪我の補償
次に、自転車事故によって負った自分の怪我の補償とは、いわゆる傷害保険のことです。
一般の傷害保険のほか、子供ならばキッズ保険やファミリー保険などで、同じ補償内容をカバーできている場合があります。
わかりやすく言いかえると、加入中の保険に『交通事故によるケガ・入院の補償』があればOKです。
子供用なら通院2,000~3,000円、入院5,000~1万円程度の補償があれば問題ありません。
保険料はどっちが得なの?
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自転車保険への加入を求められるのは、出費多端な入学シーズンが多く、どちらのケースのほうが保険料がお得なのか? という点が一番気になるところです。
そこで、私が個人的にそれぞれの保険料を、国内大手保険会社10社に絞って調べた結果、以下のようになりました。
自転車保険と同等の補償内容 合計年間2,200円~5,000円 ※2
※2 個人賠償責任保険が年間1,400円~3,000円、18歳以下の子供の傷害保険が年間800円~2,000円として計算。
ご覧のように、どちらも同じぐらいの保険料範囲であることがわかります。
そもそも補償内容がほぼ同じであることを考えると、保険料が同等になるのは当然の結果だとも言えますね。
学校によっては、自転車保険の団体加入割引があり、加入期間3年分を一括払い5,000~6,000円で販売されていることがあります。
こちらがおそらく最安値だと思われますので、単体加入を検討されている方は、事前に学校へ問い合わせてみると良いでしょう。
すでにどちらか一方の補償があるなら、補償を特約として付け足す、必要なものだけ加入するなど、保険料の節約のために工夫してみることをおすすめします。
我が家の娘も例にもれず、学校入学時には『自転車保険と同等の補償内容の保険』の加入証明書を提出しました。その時に提出したのは、傷害タイプのキッズ保険(18歳まで継続加入)と自動車保険の個人賠償責任補償特約に加入しているという証明書です。
ちなみに、個人賠償責任補償特約部分とキッズ保険の保険料の合計は年間3,230円でした。
傷害保険は、仮に重複加入しても怪我をした時に貰える給付金が増えるので、損をすることはありませんが、個人賠償責任補償は家族にひとつあれば十分な保険です。
みなさん補償の重複加入に気をつけて、自転車保険への加入を検討してくださいね。(執筆者:吉武 なおこ)