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マイナス金利は保険商品にも影響
国債の運用が中心の生命保険会社は、日銀のマイナス金利政策を背景に利回りの確保が難しくなり、予定利率の引き下げや、貯蓄型保険の販売中止などに追い込まれているが現状だ。
そんな現状の中、50代~60代の契約者向けに「個人年金保険」に切り替え提案をする生保営業がかなり多くなってきている。
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お宝保険は保険会社にとっては継続して欲しくない保険
昭和の時代~平成8年3月までに契約した貯蓄型の保険は「お宝保険」といわれている。
例えば、この期間の終身保険、養老保険、個人年金保険などは、予定利率が非常に高い商品であり、保険会社としてその契約を継続されるとかなり苦しい状況になるのだ。
以下は予定利率の推移(国内大手生保、配当付保険の場合)
昭和60年4月~平成5年3月:5.50%
平成5年4月~平成6年3月:4.75%
平成6年4月~平成8年3月:3.75%
※すべての国内大手生保が同じ予定利率ではない
平成25年4月以降は1.00%~1.50%
一時払い終身保険などの予定利率は0.5%~0.75%
「お宝保険」は保険会社にとってはデメリットな保険
働き盛りの時に、家族のために加入したご主人の終身保険を個人年金保険に切り替えないかという提案があった。
子供たちが大学卒業し社会人になったので、夫婦の老後のための資金を考えようとしていた矢先、保険会社の担当者から上記のような提案があり、その切り替えが本当に自分たちにメリットがあるのか? という相談内容であった。
保険会社としては、契約者にとっての「お宝保険」は継続されると厳しい状態になるので、できるだけ切り替えして欲しい保険。
老後生活費を確保するという発想から連想される金融商品として「個人年金保険」はとても分かりやすい商品だ。
だが、現状では円建て個人年金保険は、おすすめできる保険ではない。
「お宝保険」の切り替え提案に乗ってはイケナイ!
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「お宝保険」はできるだけ継続、もし保険料の払込が厳しい状態ならば保険料の払込をストップする「払済」などによって維持していくのがベターである
。
「お宝保険」を切り替えて得するのは、保険会社と保険募集人だけだと覚えておいてほしい。
保険募集人のたくみな営業トークには乗らないようにしていただきたい。(執筆者:釜口 博)