証券会社やFP等が資産運用の大切さを説くものの、本当にその行為が報われるのか、不安に思う方が多いかと思います。
そんな方のために今回、過去のデータから「株式投資をしていたらどのくらい儲かっていたのか」を見ていきます。
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今回見ていくのは、日経平均株価指数とS&P500種指数です。
日経平均株価指数とは、東証1部上場銘柄のうち市場を代表する225銘柄で構成される株価平均指数です。
一方のS&P500種指数とは、アメリカ経済のパフォーマンスを示す指数で、全主要業績を代表する500銘柄で構成されています。
つまりこれらの指数は「日本とアメリカ、それぞれ投資していたらどのくらい儲かったのか?」ということを端的に示しています。
なお、配当は再投資したと仮定し、今回分析にあたって税金は考慮していません。
目次
日経平均225に投資していたケース
まずは、日経平均です。長期のチャートを見てみましょう。
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日経平均株価は1989年につけた最高値3万8,915円を二十数年経った今でも越えられていません。
過去5年投資したとすると
過去5年間の成績は年平均13.49%。アベノミクスの勢いもあり、かなりいい運用成績です。
10年間投資していたとすると
過去10年間の運用成績は年平均1.57%
リーマンショックもあり、この期間の運用成績は芳しくありませんでした。とはいえ、年間平均1.57%も銀行の定期預金よりは遥かにいいパフォーマンスなので、人によってはアリかもしれません。
20年間投資していたとすると
過去20年の運用成績は0.786%。20年前から投資をしていた場合の投資リターンは年1%を割ってしまっています。
30年間投資していたとすると
データでは、1993年までしか配当データがないので、変動益のみで計算します。そうすると、過去30年の運用成績は0.1838%。
日本株に30年ずっと投資しても年平均0.1838%しかリターンを得られないという残念な結果になってしまいました。
S&P500に投資していたケース
次に、アメリカの代表的な指数であるS&P500のリターンを見ていきます。まずは長期のチャートを見てみましょう。
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日経平均とは異なり、歴史上右肩上がりです。ここで大切なのは「どこで買っていても儲かっていた」ということ。
中国の台頭やインドの経済成長などが何かとピックアップされていますが、経済大国アメリカの強さを感じることができます。
過去5年投資していたとすると
過去5年の運用成績は11.52%。日本のアベノミクスの勢いには届かないものの、年平均10%を超える運用成績はかなり優秀と言えます。
10年間投資していたとすると
過去10年の運用成績は6.98%。こちらも日経平均の10年間と同様、リーマンショックの影響でこの運用成績は下がりました。
20年間投資していたとすると
過去20年の運用成績は7.94%。2000年にITバブルがあり、こちらも大きく下げたのですが、S&Pはその後しっかり回復しています。
30年間投資していたとすると
過去30年の運用成績は9.89%。ITバブル、リーマンショックという金融危機を経験したものの、30年間前からS&Pに投資をしていれば、年間10%近い成績を残せることができています。
ちなみに、過去50年間まで遡って運用成績をみると9.73%でした。
アメリカでは「他の多くの投資ファンドよりもS&Pの方が優秀である」と言われますが、その理由がわかります。
あの資産6兆円を超えるといわれるウォーレンバフェットも、一般人への投資アドバイスとして、S&Pインデックス投資を薦めています。
日本人が株をやりたがらない理由は合理的だった
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日本人がなぜここまで投資に消極的なのかの理由がわかりました。S&Pと比較すると日経平均のパフォーマンスは圧倒的に劣っています。
これでは「株なんて損するから手を出さない方がいい」という意見も十分頷けます。
しかし、一方のアメリカでは、株式投資は十分見返りのある行為といえます。
事実、平均的な所得のサラリーマンでも、株式の長期投資で1億円を超える資産を築いた人はたくさんいます。
例えば、バーモント州に住んでいたロナルド・リードという人物は、アメリカ株に長期投資を行い、日本円で10億円近くもの資産を築きました。彼は起業家でも資産家でもなく、長年ガソリンスタンドの店員や掃除婦をして生計を立てていました。
30年前と異なり、インターネットが発達した現在では世界の経済成長の利益を享受するチャンスは広がっています。上記S&Pに連動するファンドは日本で気軽に購入できる環境になっています。
上記指数に連動したファンドの多くは取引手数料が無料で買え、かつ他の多くの手数料が高いファンドよりも成績がいいということは金融界の常識です。
ウォーレンバフェットはこう言いました。
さらにこうも述べています。
「簡単なことをやれ。」
世の中には複雑な仕組みの金融商品がたくさんあります。高い手数料を払ってそれらに投資しなくても、簡単な方法でも十分な資産形成は可能です。
ぜひ投資を身近なものと捉えてみて下さい。(執筆者:国府 勇太)