株投資で利益を上げたい、資産を形成したいと思っている方は少なくないようですが、本人は株投資をしているつもりでも実際は株トレードをしている、という人が少なくありません。
株投資と株トレードには大きな違いがあるのですが、誤解していませんか?
この投資とトレードの違いを理解せずに株の売買を行なっていると、上手に収益を上げられないどころか損失を重ねることになり兼ねません。ここで、株投資と株トレードの明確な違いを頭に叩き込んでください。
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目次
株投資と株トレードの大きな違いとは
今回、「株投資」と「株トレード」の違いを例を挙げながら解説していきます。まずは株投資から見ていきましょう。
株投資とは
株投資とは、株式を発行する企業の価値に投資をすることです。
この企業には将来性がある、成長を見込める価値があると判断し、その会社の株を買うのが株投資です。
その会社の将来性や企業価値が株価に反映されるのが半年後か数年後か、または数日後かはわかりません。しかし、その投資期間が重要項目ではありません。
投資期間に関わらず、企業価値に焦点を当てて投資しているのならば、それは株投資であり株トレードではないのです。
たとえば、世界的にも歴史的にも生きた伝説と言われるウォーレン・バフェット氏を一例に見てみましょう。
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バフェット氏の投資スタイルは、優良株が売り込まれて安くなったときに買う、というものです。つまり、企業価値の高い株を割安で買うという投資スタイルになります。
もうすでにお気づきかもしれませんが、バフェット氏の行なっているのは株投資でしょうか? それとも株トレードでしょうか?
そう、株投資です。バフェット氏は企業の価値に注目し株を買っているからです。
株トレードとは
一方で、株トレードとは何でしょうか。株トレードとは、株価に資金を投じる行為であり企業価値は関係ありません。
トレード基準を目安とし、買いのタイミングで買い、売りのタイミングで売る。ただそれだけです。企業に対する思い入れや企業の価値など関係なく、今後株価が上がるであろう株に資金を投じるのが株トレードというわけですね。
株トレードとはどのようなものか、一例を挙げてみましょう。
以下、はてな(3930)の日足チャート(上部)とRSIテクニカルチャート(下部)になります。
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下部に表示しているRSIテクニカル指標は30%を割り込むと買いサイン、70%を上回ると売りサインと言われています。
画像上に赤丸がありますが、指標は10%を割り込んでおり、正に買い時のサインが出現しているわけです。
企業の価値に関係なく今後一定の範囲で株価が上がるだろうと予測し、その時点ではてな株を買う。これが一種の株トレードになります。
その後はてな株は急上昇し上場初値近くまで値を戻すこととなりましたから、実際にはてな株を買っていたなら “株価への資金投入” を行なった結果として株トレードが成功したことでしょう。
株投資と株トレードの違いを明確にすることが第一歩
以上、株投資と株トレードの違いを説明しました。もう一度おさらいです。
株トレードとは株価に資金を投じること
この明確な違いを頭に入れておくことが、株売買成功の第一歩となります。
株投資のつもりで株を買ったものの実際は株トレードをしている、またはその反対の行為があるわけで、株投資と株トレードを明確に区別し株取引を行なわないなら収益を上げることは難しいということ、覚えておいて下さい。
それでは、また。(執筆者:堀 聖人)