上放れ状況の要因
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約2か月続いた下値切り上げ型の三角保ち合いも終盤となり、そろそろ方向感がでてきます。
この三角保ち合いの上放れ状況は、二つの要因があります。
一つ目は、アメリカの早期利上げ観測からくる円安に関して、毎月第一金曜日に発表される雇用統計において、農業分野以外の就業者数が前月と比べて15万1000人増加という結果になりました。市場予想の18万人を下回る結果となり、円安に歯止めがかかることが予想されていることが要因となっています。
二つ目は、日銀によるETFの買い入れ額増額に伴う上昇も、じわりじわりと上げの立役者になっているように思われます。
結果、8月29日~9月2日の一週間すべてローソク足は陽線という展開が出来上がり、完全な陽線勝ちという状況となっています。
次の天井は?
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この状況を素直に受け止めれば 上値メドを予測し、値幅日柄で次の天井に目安を立てる必要があります。
まず、日柄では今回の三角保ち合いの最初の上昇である7月21日から28日の上昇日柄9営業日で、これを一目均衡表の時間のサイクルである基本数値、対等数値にあてはめて、更に上げ幅も値幅として意識します。
すると、次回天井は、水曜日から木曜日あたりで値ごろは1万8100円と想定されます。しかし、雇用統計への反応がまだ未確定ですので算出された数値はその動きをみてからとなります。
いずれにしても、金曜日はSQ値の算出となり、SQで相場の流れが変わることが多いということを考えますと、その頃に次のポイントがくるのかな? と想定します。
次の天井を1万8000円前後となるシナリオに対する対策をとるとともに、急に出てくる悪材料に敏感になっていきましょう。
移動平均線の並びで下から「75 25 5 ローソク足」となっている時は、典型的な上昇の位置関係ですので、しばらく上げということがセオリーと考えます。
ですが、みんなが上という意識になった時に「下げ」なんてこともあるので、常に油断せずみていきたいと思います。
上値めどを立てつつ、急な悪材料に注意だけは怠らないという判断となります。
ここからが大事な場面で、想定以外の動きをした時の対応が未来の資産形成に大きく変化を起こすポイントとなります。
そのような場面に直面されるときには極端に動き過ぎず意地になりすぎず、自然体で流れに乗っていくように心がけ、トレンドが変わるときにどのような動きをするのかをしっかり見極めていきましょう。(執筆者:城 晶子)