数年前までは1バレル100ドルを超えていた原油価格も、現在は40ドル台半ばでの推移。長期に渡り価格低迷が続いています。しかし、その現況も徐々に変化の兆しを見せ始めています。
ついに、主要産油国が減産に踏み切りそうなのです。今後は原油投資にチャンスあり!? ここもとのマーケット状況から分析します。
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目次
やはり需給が重要 年初の下落理由は供給過多
年初の原油価格はWTI、ドバイ、ブレントの3指標共に30ドル程度での推移。約12年ぶりの安値圏での推移になりました。
下落の要因は圧倒的供給過多。実際に、新興国経済の先行き不安、イランの経済制裁解除等、供給材料には事欠きませんでした。また、米国が40年ぶりにエネルギー輸出を再開したことも供給過多に拍車を掛けました。
短期要因ではOPECの非公式会合に注目
しかし、原油市場における需給バランスも徐々に改善の兆しを見せています。今月に開催されるOPEC(石油輸出国機構)の非公式会合で主要産油国が減産に踏み切る可能性があるのです。
原油価格を決める最大の要因は需給と言っても過言ではありません。実際に、マーケットは生産調整の話が出て以降、8月単月で約20%上昇。
仮に減産方向で話が進めば、ほぼ間違いなく原油マーケットにとってはポジティブな材料として捉えられるでしょう。
新興国における石油需要は引き続き根強いと想定
先進国で石油の消費量が減っていることは周知の事実です。一方で、新興国における石油輸入量の伸びは比較的堅調に推移しています。ここもとの新興国経済における景気後退局面を脱すれば、今後も石油の消費量は伸びて行くでしょう。
特に、中国は今年に入り原油の輸入額を15%以上増加させています。価格が安い時に原油を輸入し、備蓄を今のうちに増やしている訳です。いわゆる、「戦略的石油備蓄」ですね。
この石油備蓄の動向も原油マーケットにとってはポジティブな材料になるでしょう。これらの材料に後押しされ、原油価格は今後緩やかな上昇基調を辿る可能性があると想定します。
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ではどのように原油に投資すればいいの? 原油高メリット銘柄群
WTI原油価格連動型上場投信(1671)
鉄板ですね。原油の主要指標WTI原油の値段に連動するので比較的投資はしやすいと思います。
原油ブル(2038)
こちらも人気です。ただ、原油価格の値動きに2掛けで連動(=2倍)しますので、値動きが荒い点注意が必要です。
国際石油開発帝石(1605)、昭和シェル石油(5002)、出光興産(5019)
こちらも物色対象になりやすいですね。参考にしてみて下さい。(執筆者:徳田 陽太)