今年5月に丸の内のFintech集積オフィスに入居してから、これまで活動してきた士業(専門資格の有資格者)のなかでFintechを唱える者は珍しいからか、様々な場所で「Fitechについてわかりやすく説明して欲しい」という依頼を受けます。
一通り噛み砕いて伝えると、繋がる言葉は「いまの『経験』とFintechはいったいどう繋がるのですか」という言葉。
日々イノベーションを作り上げる入居社の皆様と机を並べて仕事をしていると、「それを考えるのもFintechです」と答えてしまいますが、それでは丁寧さに欠けるでしょう。

目次
Fintechの目的は、「オープンイノベーション」と「エコシステム」
Fintechの目的は、金融業界の発展です。そのために、タイトルに記した「オープンイノベーション」と「エコシステム」があります。
「オープンイノベーション」とは
特定の1社だけではなく、様々な知見(ちけん)を持った大学、地方自治体、社会起業家が持つアイデアやネットワーク、サービスを組み合わせ、革新的なサービスを生み出すことです。
「エコシステム」とは
IT分野などで新しいビジネス領域を指すことです。
今の「経験」をエコシステム創出に活かす
現在、一見Fintechに関係のない、距離のある仕事をしていても、筆者は「Fintechに興味を持ったビジネスマンが勝ち」と考えています。
エコシステムの創出は、Fintechの土台となった金融業界とIT業界の知識はもちろん不可欠ながらも、「全員がいずれかの業界出身である」必要はどこにもありません。
逆にPFMならPFM、カスタマーサービスならカスタマーサービスを競う業者にはいない「人材」を確保して、そのノウハウをサービスに落とし込み、差別化として市場に提供できたものが評価を受ける時代がやってくるのではないでしょうか。

企業や個人に合わせて「普遍化」していくこと
経験の出し手としては、会社や特定の業界に限定されないノウハウとして蓄積すること。そのためには、toB(企業)、toC(個人)それぞれに合わせて、「普遍化」することが必要になってくると思います。
10人が120%ずつ力を合わせるよりも、30人が80%ずつ力を持ち寄った方が合計数は大きくなる。今後のFintech業界がそのような方向性になってくれることを期待しています。(執筆者:工藤 崇)