世界一の倹約家(ケチ)として名高いフランス人。彼らの心と財布はシビアな別物、日本人は心と財布は一緒だ、と語られます。日本人から見るとフランス人は意地悪なケチですが、フランス人からは日本人の意識が不思議で理解できません。今回はそんなフランス人のお金と心についてのナイショ話にお付き合いくださいませ。
目次
1・≪外見≫・他人からどう見られたいのか
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フランスには時代の穏やかなファッション傾向はありますが、毎年の流行り廃りはありません。
アメリカ人の書いた『フランス人は服を10着しか持たない」という本が大人気だそうです。自信が無い人は衣装や持ち物で自己イメージと気分を変えたがります。
学校には制服はありませんが、フランスでは老若男女共々、私服が制服化しています。服装でムードが変わるなら、いつも自分が一番自分らしいスタイルがベストな選択。
となると、どうしても良い物を長く着るという安定したスタイルになり、必然的にお金は無駄にしません。
フランス人は個人主義で、他人の目を気にしないと言われています。が、彼らは所属する集団の中で、不自然に自分だけが違うことをアピールする人の「違和感と自意識」を極端に嫌います。同時に自分自身でいられない人、他人のマネをする人も毛嫌いされます。
2・≪恋愛と財産と契約≫・好きだったから結婚する
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日本人は「結婚したら幸せになる」と言いますが、その論理はフランス人にとっては震えあがるようなギャンブルに感じられます。
彼らの愛は過去の実績と信用の積み重ねが重要で、「これをしたらこうなるかも」と甘い推定や推測では、結婚の書類にもサインはしません。
資産や財産がある人は、必ず結婚前に離婚を前提とした結婚契約書を取り交わします。
公証人(notaire)に依頼し、どのような財産配分で離婚を行うのか、財産目当てならそれもOK。対価を幾らにするのか公的な書類を作り、両者同意の上で署名をします。
貧乏だと結婚しやすいのか、と反論されるかもしれません。老若男女、貧富に関わらず結婚は社会と個人の契約だとしかイメージされません。
○結婚=個人の契約(義務と責任)=財産と家族の共有
✖結婚≠ロマンチック≠永遠の愛≠神さまの前での誓い
3・≪お金≫・貯蓄と節約
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昔の日本は駄菓子屋さんがあり、子どもたちは自然に自分の「お金を使い方」に馴染む機会がありました。今も昔もフランスには駄菓子屋さんがありません。
フランスの未成年の子供は常に親の監視下に置かれます。夏休みは3か月、6週間おきに長いお休みがあります。この期間、子どもたちは消費者として親の買い物の仕方や、金銭感覚などを意識の底でコピーするようになります。
•暑さ寒さは服で調節
•自分でサンドイッチを作ってランチにする
•無駄な浪費は罪
•お金が有ると他人に優しくなれる
•着飾ってお化粧してもモテない
•欲があると騙される
•お金の話を嫌がらない
•ダメなものはダメ
•自分へのご褒美は危険なアイデア
エトセトラ
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回はフランス人とお金についてご紹介させて頂きました。人は見栄を張ったり意地を張ったりしますが、お金は正直です。金をどう扱うのかをご覧になると人様の生き方や意識が見えてくるようです。
この情報があなたのお役に立てれば幸いです。(執筆者:m.h.edwards)