目次
解説
NPO 法人とは、利益追求を組織の主目的としない法人で、一定の税務上の優遇があります。また、出資者に対して、利益分配は許されていません。
1. NPO 法人の特徴
イ)資本金が0円でも設立が可能ですが、設立に4~6 か月ほどかかり、設立時の社員が10 名以上必要です。
ロ)経営がガラス張りで活動内容等に制約や規制があり、所轄庁への提出書類も多いです。
ハ)収益事業をしなければ、法人税等の税金がかかりません。
2. 会計帳簿
会計帳簿としては下記の報告書を作成し、提出しなければなりません。
イ)NPO 法人・・・(1)収支計算書、(2)貸借対照表、(3)財産目録、(4)事業報告書など。
※設立申請時には、収支予算書、事業計画書なども作成する必要があります。
ロ)株式会社・・・(1)損益計算書、(2)貸借対照表、(3)内訳書、(4)事業概況書など
3. 法人税等の課税と経理
NPO 法人は収益事業のみ法人税等が課税されます。収益事業とは、①販売業・製造業などの34 業種の事業(「特掲事業」といいます)に該当し、②継続して、③事業場を設けて営まれるものをいいます。
つまり、「特掲事業」に該当しなければ、課税されません。このため、費用・収益を「本来の事業」と「収益事業」に区分経理する必要が有ります。
4. NPO 法人の消費税
基本的には、通常の法人と同じ取り扱いですが、特定収入がある場合は、仕入税額控除の調整をする必要があります。特定収入とは、資産の譲渡等の対価以外の収入で例えば、出資金、預り金、貸付回収金、還付金、補助金、寄附金、保険金などが該当します。
要するに
NPO 法人のメリットは節税が一番大きいですが、設立に手間がかかること、所轄庁への提出書類や規制が多いことといったデメリットもあります。