最近、B型肝炎の方に関してお金がもらえるとCMで流れており、調べてみました。
目次
B型肝炎救済訴訟の背景とは?
昭和23年7月
B型肝炎ウイルスへの感染の原因となったのは、昭和23年7月から施行された予防接種法です。
学校などで行われる集団接種の際に、現在では考えられない注射針の使い回しが行われていました。そのため、B型肝炎ウイルスを持っている児童から、持っていない児童に感染し、感染者が増えていきました。
昭和33年
児童1人ごとに注射針を交換する規則になりました。
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昭和63年
注射筒も児童ごとに交換することになりました。
しかし約40年間に集団予防接種によって、現在B型肝炎ウイルス感染者は全国で45万人と推定されています。
平成元年
B型肝炎ウイルスに感染して、B型肝炎を発症した5名が決起し、国を控訴しました。長い年月をかけ、平成18年に国の損害賠償責任が認められたのです。
平成18年
長い年月をかけ、国の損害賠償責任が認められたのです。
平成20年以降
全国各地でもB型肝炎ウイルス感染者による訴訟が次々に起こりました。
平成22年
全国的な動きに国が反応して和解協議がスタートし、特別措置法が施行されました。期限は当初は平成24年から5年間の平成29年まででしたが、平成34年まで延長される予定です。
出典元:B型肝炎訴訟の専門家検索サイト
B型肝炎救済訴訟の対象者は?
B型肝炎救済訴訟を起こせる対象者は、昭和23年7月1日~昭和63年1月27日の間に7歳未満でうけた予防接種、ツベルクリン反応とそれによる感染者から母子感染した人が対象となっています。
証明するための要件
・ 一次感染者の場合
(1) B型肝炎ウイルスに持続感染していること
(2) 満7歳になるまで集団予防接種等を受けていること
(3) 集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと
(4) 母子感染ではないこと
(5) その他集団予防接種以外の感染原因がないこと
・ 二次感染者の場合(母親からの母子感染で感染した者)
(1) 原告の母親が上記の一次感染者の要件を全て満たすこと
(2) 原告がB型肝炎ウイルスに持続感染していること
(3) 母子感染であること
具体的な給付金は?
具体的にはどれくらいの給付金がもらえるのでしょうか?
・ 重度の肝硬変、肝がん、死亡 … 3,600万円
・ 軽度の肝硬変 … 2,500万円
・ 慢性B型肝炎 … 1,250万円
・ 無症候性キャリア … 600万円
(B型肝炎ウイルスをもっているが、肝炎を発症していない場合)
20年の除斥期間が経過した方(予防接種を受けてから20年経過している方)
・ 現在もB型慢性肝炎 … 300万円
・ 現在はB型慢性感染ではない … 150万円
・ 無症候性キャリア … 50万円
出典元:厚生労働省ホームページ
給付金を受けるには
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国を相手とする国家賠償請求訴訟を起こして、国との間に和解することで受けることができます。
最後に
病気にならないようにできた予防接種が原因で、病気になってしまい、また40年間もの間、行われていたなんて驚きです。長年もの間、裁判を起こしあきらめずに戦ってこられた5人の方が何万人の方の力になっているということ、素晴らしいことです。
しかし、この間にも亡くなってしまった方も多くいらっしゃるかと思うと、裁判が早く解決するように考えてほしいものです。(執筆者:天海 文香)