NTTデータの株式分割についての記載に誤りがございました。
1対5の株式分割後の配当金につきまして、「1株当たりの配当金を75円」と記載し、それに基づいた配当利回りが6.2%になる旨を記載しておりましたが誤りでございました。
株式分割後は、1対5の分割比率に合わせて配当金が修正され、平成30年3月期の年間配当は15円となります。5月10日の株式分割の発表と同時に配当金の修正についても発表がございましたが、わたくしの確認不足により誤った情報をお伝えしてしまいました。心よりお詫び申し上げます。
また、ご指摘くださいました読者様には心よりお礼申し上げます。
先日利益を確定するために株を売却した企業が、株式分割を発表しました。翌日から株価は急騰、
と一瞬悔しい思いをしましたが、「損しなければ御の字」がモットーであることを思い出し、夫に悔しさをぶちまけてから、平静を取り戻しました。
株式分割は、おおむね好材料として捉えられます。発表後に株価が上がることも多く、事前に予想できたらなぁと思いますが、なかなか難しいものです。
今回は株式分割を発表している企業の中から、株価上昇と配当に期待できる東証1部上場銘柄を探してみました。
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目次
そもそも株式分割とは
株式分割とは、文字通り株を分割することです。分かりやすく例を挙げてみます。
1株10万円の企業が1対2の分割を発表した場合
株価10万円・保有株数1株
↓
株価5万円・保有株数2株
株式分割の比率に応じて株価が調整され、株価が下がります。いずれも資産総額は10万円であり、分割前と分割後は資産額が変わるわけではありません。
企業が株式分割をする理由と投資家にとってのメリット
企業が株式分割をするのは
「流動性を高めたい」
からです。
先ほどの例で考えると、1株10万円よりも1株5万円の方が投資しやすくなり、今まで購入しなかった人が新たに投資してくれる可能性が高くなります。
また、今まで市場で売買される株が100株しかなかったとして、もし分割して200株になれば買いたい人と売りたい人の取引が成立しやすくなります。売りたいときに買い手がいないという状態を避けられます。
投資家にとってのメリット・デメリット
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新たに購入を検討する人にとっては、株価が下がるため購入しやすくなります。
すでに保有している人にとっては、持ち株の一部を売るという手段を選択でき、利益が出ているときに売るか売らないかの2択以外の選択をできるようになります。
分割をすることで株主に直接的なデメリットはありません。
分割前と分割後の株価の傾向
株式分割が発表されると株価は上昇する傾向にあります。そして分割をすると、分割比率に応じて株価は下がります。その後の株価の動きはどうなるのでしょうか。これは、会社によってさまざまです。
ジャスダックやマザーズなど、新興市場に上場している企業の場合、発行株数が少ないという理由などから、株価の変動が比較的激しい傾向にあります。
また成長期待が先行して株価が高くなることも多いため、株式分割をすることで投資家が買いやすくします。
夢はあるが、リスクも高い
しかし、実力以上に株価が上がっているという不安要素もあるため、分割後に売られるということも起こり得ます。株価の動きを予測することが非常に難しいと言えます。
保有している会社がどんどん株式分割をし、しかも株価が上昇してくれれば、資産が何倍にもなるという夢もありますが、それなりのリスクは付きまといます。
分割&増配を発表した企業に注目
株式分割と増配を行う企業に注目すると、株価の変動リスクを抑えつつ、株価上昇と配当の両方を狙えるチャンスとなる可能性があります。
分割を発表した企業は、同時に株式分割の比率に合わせて配当金を修正します。修正しない場合、株式数が増えた分、配当金総額も増額となってしまうためです。
配当金が修正されると、株式分割前後では保有株数は変わっても、もらえる配当金は変わりません。
しかし分割と同時に増配が発表されると、配当金修正後の金額で考えても以前よりもらえる配当金が増えるため、すでに保有している株主にとってはメリットとなります。
株式分割後に保有者が売却することを抑止できる可能性が高まるということです。
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1対5の分割と5円の増配を発表したNTTデータ(9613)
分割発表前の株価:5,620円(5/10終値)
分割割合:1対5
分割基準日:6月30日
NTTデータは、官公庁や金融機関、企業向けにITシステムを提供する会社です。企業買収も積極的に行い、毎年売り上げを伸ばしています。
株式分割を発表した時点で、投資に必要な金額が56万円を超えていましたが、1対5の株式分割をすることにより、現時点で計算すると10万円台で投資が可能になります。
分割発表と同時に増配も発表し、1株当たりの年間配当70円から75円に増えました。株式分割後は、分割比率に合わせて配当金が修正されるため、平成30年3月期の1株当たりの年間配当金は15円となります。
分割・増配発表前
100株保有 配当金7,000円 配当利回り1.16%
分割後
100株保有 配当金7,500円 配当利回り1.24%
(5/30終値にて計算)
となります。
株式分割後、すでに保有している人が株を売却するのか、あるいは投資しやすい金額になったことで買い手が増えるのかを読むのは難しいことです。
しかしすでに保有している株主にたいして企業側が増配のメリットを提示することで売却リスクが抑えられます。新たに購入する人にとっても下落リスクの不安が少なく投資できるのではないでしょうか。
NTTデータは3期連続増配しており、保有者にとっては今後の増配への期待もあるかもしれません。(執筆者:高橋 珠実)