保険に加入する際にやっぱり気になるのは保険料ですよね。
毎月、毎年の出費ですから、いかに安く、手厚い保障を受けられるかを重視するのは大切なことです。
しかし、その保険料はどのようにして決定されているのかご存じでしょうか?
今回は、保険料のカラクリについて解説します。
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目次
生命保険料の内訳「純保険料」と「付加保険料」
私たちが保険会社に支払う保険料は、大きく「純保険料」と「付加保険料」に分けることができます。
純保険料とは、保険金の支払いに充てられる保険料のこと。そして、付加保険料とは保険会社の事業運営に必要な経費に充てられる保険料のことです。
純保険料は、アクチュアリーという資格を持つ人たちが、男女別、年齢別の死亡率や平均寿命など、様々なデータをもとに算出します。
これらの統計データは、どの会社も国が発表しているものを元にします。
ですから、保障内容が同じような保険であれば、会社による差はほとんど現れません。
会社による保険料の違いは付加保険料の違い
前述したように、純保険料は一定の統計データからはじき出されるため、会社による差はほとんどありません。
つまり、会社によって保険料にばらつきがあるのは、付加保険料の割合の差によるものです。
当然ながら、営業マンやセールスレディなどの保険募集人を多数抱える企業は莫大な人件費が必要となります。
また、テレビコマーシャルを打つとなれば多大な宣伝費が必要でしょう。こういった費用は、すべて契約者から支払われる保険料でまかなわれています。
付加保険料の割合は、残念ながら消費者が知ることはできませんでしたが、2008年にネット専業の保険会社が保険料内訳を公表したことで話題となりました。
ネット専業よりも対面販売の付加保険料が高額になることは明らかですから、自分たちの将来のために払っていると思っていた保険料が保険会社の運営に多く充てられていたことに驚いた方も多いはずです。
保険選びのポイント
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付加保険料が高いことが決して悪いわけではありません。
担当者がこまめに顔を出してくれるので安心感を得ることができる、いざというときの手続きを手助けしてくれる信頼できる募集人がいるなど、何らかの価値を感じることができるなら、付加保険料が高くてもよいとも言えます。
しかし、「必要最低限のサービスでいいから安く抑えたい」と思う方は、できる限り安い保険を選ぶのも一つの方法でしょう。
要は「何に価値を感じるか」を基準に選ぶことが大切です。
S&P(スタンダード&プアース)、ムーディーズなど、専門の格付け機関が発表している保険会社格付けも保険選びの目安になります。
あらゆる角度から保険を見て、納得できる買い物をしましょう。(執筆者:近藤 あやこ)