心配するサラリーマンは少なくありません。そこで、副業が「会社バレ」するケースとその対応策について解説します。
目次
ケース1:確定申告書の「給与から差引き(特別徴収)」の欄にチェックを入れた場合
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雇用契約に基づく給料(給与所得)以外の副業収入がある場合には、確定申告書の住民税の欄に「自分で納付する(普通徴収)」とチェックを入れると「会社バレ」することはありません。
しかし、誤って
と会社へ副業収入の情報は確実に伝わります。
これは、給料所得以外の所得金額20万円以下のサラリーマンが住民税の申告をする場合も全く同じです。
特別徴収とは
住民税を給与から天引きする方法であり、普通徴収は納付書を用いて自分で納付する方法をいいます。
対応策
確定申告書または住民税の申告書には「自分で納付する(普通徴収)」の箇所にチェックを入れましょう。
ケース2:確定申告をする必要があるのに失念する場合
サラリーマンが給料以外の副業収入から必要経費を差し引いた所得金額がプラスなら確定申告をする義務があります。
しかし、確定申告を怠ると税務署が職権で、所得税の計算をして課税することができます。このことを「更正」といい、納税者が住民税を普通徴収にする権利はありません。
市区町村の職権により住民税は特別徴収されると、副業収入の情報が確実に会社へ伝わります。
対応策
副業収入に対する所得金額がプラスなら、確定申告または住民税の申告をしましょう。
そして、ケース1と同様に「自分で納付する(普通徴収)」の箇所にチェックを入れましょう。
ケース3:副業が赤字の場合に確定申告で所得税の還付を受けた場合
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副業でも事業所得や不動産所得が赤字の場合、給与所得から差し引くことで所得税が減額され、還付されます。
この場合は特別徴収する住民税も同様に減額されるため、副業収入の情報が確実に会社へ伝わります。
対応策
事業所得や不動産所得を赤字で申告しないことに尽きます。
ケース4:副業収入が給与所得である場合
アルバイトなど雇用契約に基づく副業収入はサラリーマンに支給される給料(給与所得)と全く同じです。
その情報は市区町村へ送られ、本業の給料と合算して住民税を計算します。したがって、副業収入の情報は確実に会社へ伝わります。
対応策
市区町村と交渉して副業収入である給料だけを普通徴収にしてもらう方法があります。しかし、普通徴収に応じる市区町村は少ないのが現状です。
ケース5:税務調査で副業収入が給与所得と認定された場合
たとえば、サラリーマンが副業でホストをしている場合、勤務先と委託契約の形式を採用しているなら、事業所得や雑所得で確定申告をします。
しかし、そのホストの勤務先が、税務調査で雇用契約と変わりないと認定されると副業収入は給与所得となります。すると副業収入の情報は確実に会社へ伝わります。
対応策
副業収入が委託契約または雇用契約に基づくものかどうかの判断は税務署に委ねられているため、対応策はありません。
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ケース6:市区町村の人為的なミス
副業収入を確定申告するときに住民税の欄に「自分で納付する」とチェックを入れたのに、市区町村の職員のミスで、特別徴収の金額に副業の所得金額が加算されることはあり得ます。
対応策
特別徴収する住民税の情報が会社へ通知される直前である4月下旬に市区町村へ普通徴収で処理してくれるかどうかを確認しましょう。
ケース7:会社の同僚や取引先から会社へ告げ口される
副業収入の存在を本人が同僚や取引先に打ち明けた結果、会社へ告げ口されるケースです。
たとえば、同僚との人間関係が良好のときは「副業をしていること」を黙ってくれるかもしれませんが、悪化したタイミングで会社へ告げ口されます。
対応策
会社の同僚や取引先には副業収入の存在を一切話さないことに尽きます。
最後に
副業収入が「会社バレ」する7つのケースを取り上げました。
その中でも、ケース5のように事業所得や雑所得だったのが、税務調査で給与所得と認定される事例が増えてきています。
そうすると副業収入の情報は確実に会社へ伝わります。
すでに副業をしている人や検討されている方は、「会社バレ」対策は自己責任でお願いします。(執筆者:阿部 正仁)