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高値圏での揉み合いから、週末に一気に窓を空け、節目となるポイントまで値を下げる という動きの一週間となりました。
節目まで値を下げて、たくり線(長い下髭)形成で、反発示唆しての週末入りとなり、週明けは、小幅に窓を空けて上で寄り付くことが想定されます。
為替も円安方向に傾いていることから、下げ止まった可能性を出しています。
ファンダメンタル的には、引き続き材料が少なく、方向感を出すような情報が見当たらない状況の中「大きく影響は無い」と見ますが、東京都議選の結果は、国政を占う上では少々気になるところです。
株価は、悪材料としての影響の方が、結果に対しては大きく、市場も大きく揺さぶられます。
そして、週明けは、米国市場が休みとなる事から、ますます方向感が出づらくなり、日本独自の動きとなってきます。
この週末の円安が、雇用統計に向けての動きなのかは不透明ですが、雇用統計に向けて、週半ばから思惑を織り込んだ動きとなる事と、水曜日の夜発表の民間の雇用統計(ADP)の内容で、木曜日から動きが出る 可能性はあると想定します。
私の考えとしては、前回の寄稿文に引き続き「トレンドは上昇維持」と見ています。
ですので、週末の、25日線まで押してくることは想定内で、逆に、25日線にぶつかったときは買い場 と記載しました。したがって、金曜日は、逆張りで買いを入れる場面でした。
そして、この後の展開としては、基本、「反発して高値チャレンジをしていく」と想定しています。
ただ、25日線を終値で割り込んでいくときは、上昇トレンドへの気持ちが薄れ始め、売り玉を追加し、6月15日の安値を終値で割り込むときは、買い玉の縮小で、売り玉をさらに追加という展開を考えています。
逆に、上に値を伸ばして年初来高値の更新をしてくるときは、切り上がりのトレンドラインを意識していきたいと思います。
ちなみに、金曜の安値は、またまた切り上がりのトレンドラインがサポートラインとして機能した動きとなりました。
目次
現状分析
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5日線
位置としては、触れている場面で週が始まり、一旦上に離れて、再度押して、5日線まで押し、もう一度上に離れて、週末に一気に5日線を跨(また)いで下回り、下に乖離して週末入りとなりました。
週末の窓空け で、跨(また)いで下回ったことで 短期的な弱さ は感じますが、一週間を通してみると 波を打っている ことから、方向感が乏しく、明確な短期的なトレンドが見えない と判断します。
ただし、週末の窓空けで下へ割込んだ場面が陰線であれば、下を示唆ですが、陽線でたくり線 ですので、「方向感なし」という認識となります。
25日線
上向き維持で、想定通り、前回の押しと同じく25日線まで下げて来て、下げ止まる雰囲気を出しました。明確に下げ止まるかはまだ微妙ですが、やはりここまで押したか、という考えでおります。
窓埋め出来てない ことが、「上に行くという想いの足かせ」という考えでしたが、やはりその通りとなりました。
そして、25日線の位置が、後から出てくるトレンドラインと重なったところ まで下げて来て下げ止まったのも、テクニカル的には、『やっぱり』という思いをよぎらせます。
75日線
変わらず上向きで、上に乖離となっています。移動平均線的なトレンドでは、変わらず上昇示唆と考えます。
トレンドライン
サポートラインは、25日線 と5月18日、30日、6月15日の切り上がりのラインで、金曜日に、このラインで止まりました。当面、このラインは機能しそうな雰囲気です。
横軸では、6月15日の安値 と 5月18日の安値 を意識して、6月15日の安値を割ったときは、トリプルトップの最終ネックライン割れで、トレンドが崩れているという判断が強くなります。
上に関しても、前週同様1月27日と3月2日の上値を結んだライン が、次回の上値抵抗線として機能してくると想定いたします。
さらに上は、やはり、2015年の高値2万1000円 が目途(めど)と考えています。さらに、N値E値V値計算 で算出した上値目途(めど)も気になります。
さらには、上にも書いたサポートライン(5月18日と30日と6月15日を結んだトレンドライン)にチャネル(平行)なラインを、5月11日の高値に合わせて置いたラインも、上値抵抗線 として意識すべき線かなと考えます。
現状、この上値抵抗線とサポートラインで出来る 切り上がりのBOX 内での動きをしていると、今は考えられます。
テクニカル指標
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一目均衡表
転換線を割り込んだものの、基準線がサポートラインとして機能しています。結果、上昇トレンド維持していると考えます。
遅行線が横ばいで推移すると、5営業日で日々線にぶつかります。
その視点で見ると、そのタイミングで方向感が出るかもと考えます。
ボリンジャーバンド
切り上がりの5本のバンドの中で BOX 示唆の動きとなっている中で、TPラインまで降りてきたので 買い場 という考えが起きる状況です。
-1σ が 次の買い場 で、そこを割り込むとトレンドが変わる可能性が出ると考えます。
スローストキャスト
中位圏で揉み合う動きとなり、ここからの方向にトレンドが出来る可能性が出てきました。ここから「下向きとなると相当弱く、上向きとなれば相当強い」と判断されます。
総合判断
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まだ上昇トレンドは継続していますが、位置としては、上昇トレンドが崩れるかもしれないポイント近くにいると考え、この先の動きには 細心の注意が必要なタイミング
と考えます。
そして前回安値からまもなく3か月です。相場としての周期では、そろそろ崩れる可能性が出てくる時期です。注意深く見守って、トレンドの変化に俊敏に気づき、建玉の操作に活かしましょう。
また、日曜の選挙結果に対してのマーケットの反応も、正直、米国が本格的に動き出す週中までは明確な判断もしづらく、揺さぶられる可能性も踏まえた シナリオが、必要と考えます。
では、週明けも冷静に慎重に対応いたしましょう。(執筆者:城 晶子)