価格の変動が少なく、そのもの自体も安いので「物価の優等生」と呼ばれる卵。
アレルギーがなければ、とても心強い食材です。腹持ちもよく、料理のかさましにもなり、食卓に彩りを添えてくれるので、重宝しますよね。
ただ、特価で売り出されていたりすると「お得!」とばかりに買ってしまい、はっと気が付くと使い切れなかった…なんてことはありませんか?
食品ロスならぬ卵ロスを防ぐ方法をご紹介します。
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目次
賞味期限切れ防止に保管場所の見直しを
常温の環境で販売されていることも多い卵ですが、購入したら、必ず冷蔵庫で保管しましょう。
常温で保管すると鮮度は6倍も速く落ちてしまいます。
丸いほうを上、尖った方を下にするようにしましょう。
冷蔵庫のドアポケットには「どうぞここに卵を保存してください」という雰囲気で卵用のホルダーがついていますね。
サイズ的にも卵にうってつけの場所です。ただし、ファミリーサイズの冷蔵庫の場合、そこに卵を入れてしまうと意外と卵の存在を見逃しがちです。
賞味期限が書かれているラベルも見えにくいもの。
ドアポケットの卵を確認しようとすると、冷蔵庫を大きく開かければなりません。庫内温度が上がり、電気代のムダを生んでしまいます。
そこで、卵の定位置をドアポケットから変えてしまうことをお勧めします。
画像は筆者の冷蔵庫の中です。
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ドアを開いたとき一番に目に入る場所に、空きペットボトルを切って作ったケースに、賞味期限のシールを張り付けて卵を移し替えているので、冷蔵庫のドアをせいぜい5cmも開けば、卵の状態が確認できるのです。
卵の賞味期限は「生食」基準。過ぎたらどうする?
卵の賞味期限は、食品衛生法施行規則により、生食できる期限として概ねパック後2週間程度が設定されています。
賞味期限を過ぎた卵は加熱調理をしましょう。75度で1分以上が目安です。
この「75度で1分以上」は、O157やサルモネラ菌が死滅する目安が根拠としています。よく火を通しましょう。
温泉卵、半熟卵の注意点
黄身の固まる65~70℃、白身が固まるのは75~78℃以上です。
つまり、賞味期限が過ぎた卵で作った温泉卵や半熟卵は必要充分な加熱がされていないため、食中毒などのリスクが伴います。
しっかり黄身が固まっていれば大丈夫です。
生卵 vs ゆで卵 どちらが保存に強い?
ならば、かたゆで卵を冷蔵庫で保管すれば最強? な気がいたしますが、保存に強いのは生卵。
10度以下の環境下では、生の卵白に含まれるリゾチームという酵素が細菌の増殖を抑えます。
このリゾチームは熱に弱いため、加熱すると死んでしまいます。ゆで卵は食べる前に作ることをお勧めします。
冷凍保存できる?
一般社団法人日本卵業協会では卵の冷凍は勧めないと明言しています。
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昨年流行した「冷凍卵」は、環境によっては食中毒のおそれがありますのでご用心ください。
卵はひとつ90kkal程度。
ビタミンCと食物繊維以外の幅広い栄養素が詰まっており、糖質制限にも活躍する食材です。廃棄することなく大切にいただきましょう。(執筆者:酒井 菫)