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どのくらいの人が実際に相続税を納めているのか
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平成27年1月1日より相続税が増税になりました。
専門的な言葉をあえて使うとすれば最高税率が引き上げられ基礎控除が減額された、この2点が大きな改定点です。
「もしかしたら我が家も相続税がかかるのかな」と思った人は少なくないと考えられますが、実際にどのくらいの人が相続税を納めているのでしょうか?
国税庁が発表した数値によれば、平成27年分の課税割合(全死亡者数に占める課税された人の割合)は約8%でした。
100人の方が亡くなったら、そのうち8人の方が相続税の課税対象になったという事です。
前の年、つまり平成26年分が約4.5%であった事を考えると倍近くの増加になっていますので増税の影響は確実に出ているようです。
しかし、別の見方をすれば「100人のうち、8人しか課税対象になっていない」とも言えます。
何かしらの相続税対策をして課税対象から外れた人もいるでしょうが、それを割り引いても殆どの方は課税対象にならないという事です。
余程のお金持ちか土地持ちなどの資産家、あるいは上場株をたくさん保有している人など以外は、あまり心配することではないでしょう。
「課税されない」人は、準備する必要はないのか
では
これは、かなり難しい質問です。
一般的に相続に対する準備と言えば先述の「相続税対策」と「遺産の引き継ぎ」があります。
経営者であれば「事業の承継」も加わってきます。
仮に「相続税が課税される」人であっても、相続税対策をしない人は山ほどいますし、遺産は決して多くないけれどその種類がたくさんあって、誰にどの資産を相続させるかをあらかじめ決めておいた方がいいような場合でも、その準備をしない人はたくさんいます。
つまり、何かしらの対策をするかしないかは「その人の価値観」であって、他の誰に強制されるものではありません。
全国的にかなり増えている相続に関する相談
しかし昨今、ご本人あるいはご家族からの相続に関する相談は全国的にかなり増えているようです。
その多くは、家族のだれに、どの資産を、どのくらい相続させればいいか、という相談内容です。
この問題は遺産の金額が大きいか小さいかはあまり関係ありません。
誤解を恐れずに言えば遺産金額が少ないご家庭からこの「遺産分割」の相談を受けるケースが増えています。
その人の価値観や家族状況、資産の種類など単に「遺産分割」と言ってもその内容は千差万別です。
しかし遺産金額に関係なく起こりうる問題である以上、
(2) 自分が亡くなった後、家族や近しい人が何か困る事はあるか
について一度考えてみた方が良いかもしれません。(執筆者:長谷川 泰且)