目次
来春の「標準生命表」改定により生命保険の保険料はどうなるのか?

生命保険商品の保険料は、10年ごとに改定される「標準生命表」に基づき決定される。
2016年の日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳でいずれも過去最高を更新。
長寿化にともない、死亡保険や生存保険の比率も変化している。
「保険 = 死亡時の備え」という需要よりも、医療保障や就業不能保障などの生存リスクに対する需要が高くなっているのが現状だ。
2007年版「標準生命表」では、40歳男性の場合、1,000人のうち年間1.48人が亡くなるとされるが、来年4月に改定されると、これが1.18人に下がる。
例えば、被保険者男性の保障期間10年の定期保険の保険料は、10%ほど(終身保険は1~3%)安くなる見通しだ。
生保各社は来春の改定時期に合わせ、保険料引き下げに向けて準備をすすめている。
平均の死亡保険金額も逓減
生命保険文化センターの調べでは、男性の平均死亡保険金額は2016年は1,793万円、2007年は2,382万円であり約25%減り、1996年に比べると、約33%減っているのだ。
少子化、共働き世帯の増加などにより、世帯主に万が一があった場合の死亡時の必要保障額が減ってきているのが現状である。
生存保険の需要増
現状で需要が高くなっているのが、病気やケガに対する保障、働けなくなるリスクを保障する就業不能保障などだ。
長生きするほど「生きるためのリスク」が高まる実態を反映して、医療保険などの保険料は理論上は高くなるはずだが、これらの保険は契約件数が増加中の分野のため、生保各社の対応にばらつきが出てくるだろう。
来春の保険料料率改定への対策は?

来春の料率改定時は、基本的には死亡保険の保険料は安くなり、生存保険の保険料は高くなるが、競争激化の状況で生保各社の保険料をどのように設定するのか?
生保各社の体力勝負という一面が垣間見れそうそうだ。
掛け捨ての死亡保障に加入している方は、来春の4月以降に見直しすることによって、保険料を削減できる可能性が高くなる。
また医療保険、がん保険、就業不能保険などの生存保険の加入を検討している方は、来春以降保険料が上がる可能性があるので、それまでに加入しておく方が賢明だろう。(執筆者:釜口 博)