とうとうここ1カ月半ほど申し続けてきた「下への警戒」が、現実のものとなりました。
テクニカル的には、三角保合いの先端近辺まで来たところで上下のトレンドラインに触れた8日を保合い最後の日として、その翌日の9日に窓空けでトレンドラインを跨いで大きな陰線を形成し、直近の7月7日の安値を一気に下抜けました。
さらにその下の6月15日の安値を更新したところで下げ渋りましたが、安値更新した現実を残し、週末は揉み合いましたが、終値ベースでは切り下げ続ける形を継続させる一週間となりました。
3連休前にトレンドが崩れ、米国の動きを踏まえて、週明けは、さらに大きく窓空けして寄り付くことが想定されます。
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週明けに寄り付く段階で、
[1]今年前半の揉み合いの上限(1万9600円処)
(過去の上値抵抗線が下に回り、支持線として機能することがある)
[2]5月18日の安値(今回の中期的な揉み合いの入り口で、1万9499円)
[3]その値段処の窓(5月2日から3日にかけて空けた窓の下限、1万9464円)
を一気に跨いでくることが想定されます。
もし週明けが陰線となるときは、まさに「2015年8月の再来」となりそうな気配です。
もちろん、週明けの寄り付いたところから陽線形成の可能性も残りますが、「トレンドが崩れたのは事実である」と考えます。(4月17日の安値からの上昇に対して、フィボナッチ 38.2% の下落ポイントが1万9581円であり、その値を割り込むことが想定されます。)
この後の展開として下落トレンドになるかは、正直、微妙ですが、しばらく調整になる事の可能性は高いと考えます。
そうなると、例年のパターンについて、
(1) 年の高値が春4月から7月で、(2) 秋に向けて下げ、(3) 9月~11月に底をついて、(4) 翌年の春に向けてあげる、という流れであり、「秋口が例年買い場になる」という事
が、やはり、現実のものになりそうな気配にもなってきました。
週明けからは、「どこまで下げるか?」、「いつから上げ始めるか?」のボトム探しですが、建玉に関しては、売り玉の利確のタイミングが大事になると考えます。
「これだけ下げたからもう下げないだろう」という安易な考えは、しないことをお勧めはいたします。
目次
現状分析
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5日線
位置は、6月15日依頼の最安値目前となり、週明けには下抜けとなりそうです。
25日線
こちらは、前週書いた通り、グランビルの売りの2を示したと考えられる値動きとなりました。
75日線
上向きを維持しておりますが、日柄調整的に乖離を詰めてきて、グランビルの売りの1となりそうな値動きです。
未だ向きは上向きのままなので、一気に下げるかは微妙ですが、このパターンは、一気に下げるときの動きに似ていると考えます。
トレンドライン
三角保合いの下限のライン(6月15日と7月7日の安値を結んだライン)は一気に割り込みました。
さらに、昨年のトランプ選挙の11月9日と4月17日の安値を結んだトレンドラインも割り込みました。
このラインを割り込むという事は、「中期的な上昇が一旦終わり」というシグナルと取れると考えます。
そうなると、ここ6~10カ月で入れた買い玉の利確が始まると考えます。
横軸に関しては、6月15日の安値を今週割り込んだことで、BOXからも下離れと想定します。
そうなると、今年の前半のBOXの下限の1万8700円どころと、4月17日の安値が下げ止まりの目途(めど)で、1万8500円近辺が下げ止まりポイントとして想定されます。
反発するときは、元々の上値抵抗線(6月20日と29日の高値を結んだライン)が上値抵抗線となる事が想定されますが、だいぶ乖離しますので、また違うラインを考えたいと思います。
テクニカル指標
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一目均衡表
3度目の正直で雲へ本格突入となりました。
現状、週明けの窓空け寄りつきで雲の下限近辺に到達することが想定され、「下限で止まるのか?」、「一気に雲抜けするのか?」見ものですが、雲の下限が切り上がるタイミングなので、雲からの下抜けは非常にしやすい状況で、完全に下方シグナル点灯と考えられます。
遅行線も明確に日々線を割り込んでおり、さらなる乖離が見込まれますが、天底一致に関しては、見極めづらい形を形成しているので、予測は立てづらいと考えます。
ボリンジャーバンド
一気に -2σ から下へ飛び出しました。下へのバンドウオークの始まりの予感です。ここからは、+1σ を上回るまで、強気で売り玉優勢でと考えます。
このようなトレンドの時は、スローストキャストと合わせての見極めが有効で、ストキャストとしては、売られすぎゾーンに明確に入りそうな気配です。
一瞬、トレンドを切り上げかけましたが、週末には切り下げを開始する位置まで降りています。週明けも下げると考えると、こちらも、下げを示すシグナルが出ていると考えます。
総合判断
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方向感なしだった前週と比べ、下落示唆のシグナルが多種にわたり出ております。
したがって、ここからは、「どこまで下げるか?」切り返しポイントを探る展開となります。
下げ止まりポイントとしては、フィボナッチで考えると、
[1]4月からの半値下げポイントで1万9271円、
[2]61.8% 押しの1万9024円、そして、
[3]11月9日からの上げに対しての 31.8% 押しの1万8771円と、
[4]1月18日の安値1万8650円(今年前半の揉み合いの下限)が、ほぼ同じ値ごろで抵抗線として機能することが想定されます。
ここを割り込むと、中期的に下落入りの可能性が高くなります。
そして、
[5]50.0% 押しの1万8215円は、4月17日の安値の1万8225円と被っていることで、この辺りまで下げてきたときは、下げ止まりポイントの可能性の高い値ごろと考えられます。
上でも書きましたが、「勢いの良い下げが始まると簡単にはV字回復はせず、下げ止まるふりをしてさらに深い下げ」という局面を、多数にわたり見てきました。(今回の下げが同じと断定は出来ませんが‥)
下げの原因は、今のところ地政学的リスクと言われていますが、裏には、需給のバランスで利確したい人たちの心理的なポイントと、表面的な地政学的リスクが重なったものと思われます。
表面的な地政学的リスクに関しては、明確でない分、リスク軽減となるポイントが見極めづらいので、『もう大丈夫だろう』と軽はずみな判断はリスキーと考えます。
ただし、売り玉を保有しながらの打診買い(売り玉数の半分から3分の1まで)を入れ直しながら、反発への保険もタイミングを見て入れるべきとは考えます。
ここからの判断は、さらに難しくなります。
今回の下げでも、売り玉を持っている方が多くいらっしゃると考えられますが、利確のタイミングが大事です。
“早すぎず、遅すぎず、欲張らず” を考え、行動することです。
週明けも神経を集中して見極めが必要になります。落ち着いて、冷静に判断・行動してまいりましょう。(執筆者:城 晶子)