ここ最近、北朝鮮のミサイルや核実験報道が連日報道され、為替市場で円高が進行しています。
為替レートは、資産運用をしている人だけに影響があるわけではありません。
・ 輸出入を行ってる人
・ 百貨店やスーパーで輸入商品を買う時
・ 車のガソリンを入れる時
など、日常生活を送っているだけで、多くの人が為替レートの影響を受けます。
そこで、為替とはどのような要因で動くのかを、一緒に考えていきたいと思います。
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目次
為替が動く要因
為替レートが動く要因として、最も大きな理由は、需要と供給のバランスです。これは、為替に限らず、値段がついている全てのものでいえることです。
買いたい人(需要)が多ければ、そのモノの値段は高くなり、売りたい人(供給)が多ければ、そのモノの値段は安くなります。
私たちは、
という行動を無意識に取っています。
その為、為替レートに関しても、日本円を買う人が多ければ円高になり、日本円を売る人が多ければ円安になります。
需要と供給のバランスは何が原因で起こるのか?
資産運用をしている人が、為替を買ったり売ったりするのには、大きくわけて2つの要因があります。それは、短期的な値動きの要因と、中長期的な値動きの要因があります。
短期的な値動きの要因:テクニカル要因
テクニカル要因の代表的なものは、チャート分析です。過去の値動きを分析したり、買われすぎ、売られすぎなどの指標を分析したりして、投資を行います。
テクニカル分析をする人は、短期勝負の投資家が多く、FXやバイナリーオプションなど、投機的な側面が強い傾向があります。
中長期的な値動きの要因:ファンダメンタルズ要因
ファンダメンタルズ要因の代表的なものは、国の経済状況を分析したり、国の政策金利を分析したりします。
短期的な値動きを考えるのではなく、中長期的に景気や金利などから投資を行う方法です。
中長期で資産形成を考えている方は、ファンダメンタルズ分析を行い資産運用をしています。
外貨投資のリスクとは
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外貨投資や海外投資の最大のリスクは、為替リスクです。為替リスクを取ってまで海外に投資をしようとする目的は、リターンの大きさです。通常、日本の経済成長率よりも海外の経済成長率の方が高いです。
経済成長率が高いということは、物価上昇傾向が強いということです。モノの値段が上がる、インフレになるということです。その為、日本よりも海外の方が金利は高いです。
従って、為替リスクを取ってでも高金利や高い経済成長のメリットを得ようとして、外貨投資を行うわけです。
為替リスクが一切無い場合
日本円の預金が0%の金利、一方、米ドルの預金が5%の金利が付いたら、あなたなどちらに投資をしますか?
為替リスクが無い状態なら、日本円の0%よりも米ドルの5%を選ぶ人が多いと思います。
為替レートは、世界経済が通常の状態であれば、低金利の通貨よりも高金利の通貨にお金が集まる傾向があるのです。
ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン
投資の大原則でもある、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンという言葉は、聞いたことがある人も多いと思います。
そこで、今回のテーマでもある
についてお伝えします。それは、日本の金利がゼロ金利だからです。
基本的に、投資をしている人は儲けるために投資をしています。経済が通常の状態であれば、お金は金利の高い通貨に向かいます。その方がリターンは大きいから当たり前の行動です。
地政学リスク
ミサイルが飛んくる
核実験が行われれる
〇〇ショック
サブプライムローンショック
リーマンショック
このような状況下では、世界中の投資家は、
という行動に出ます。
その避難先として、ゼロ金利の日本円が買われて円高になっているのです。
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世界的危機の時に日本円が買われる理由
「円は安全通貨だから買われている」という人もいますが、1,000兆円も債務残高がある国は日本以外にありません。
確かに、借金にだけに焦点を当てるのではなく、日本には資産もたくさんあると仰る方もいるでしょう。
しかし、対GDP比で200%を超える負債を持った国は、日本以外にないのです。
安全通貨だから日本円を買うという理由なら、経済が正常な時であっても積極的に日本円が買われるはずです。
それに、現在の日本の金利が5%も付いていれば、世界的危機の時に、日本円は買われないはずです。あくまで、金利が低い通貨が世界的危機の状況下では買われやすいということです。(執筆者:渡邊 一慶)