過去数回、国内のリートに関する記事を執筆させて頂きましたが、海外リートにもチャンスが訪れそうです。
世界ナンバーワンのリート市場はアメリカです。実に、世界のリート市場における時価総額の、60%以上を占めます。その米国のリート市場が改善しつつあるのです。
また、オセアニアにおけるリート市場も堅調な推移を見せています。配当狙いの運用に切り替えるには今がチャンス。海外リート市場に目を向けてみましょう。
目次
良好な資金調達環境が継続と想定! オフィスリートや住宅系リートに注目を
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米国では、今後も良好な資金調達環境が継続すると想定されます。
直近の、物価上昇率推移を確認すると、若干停滞傾向にあることが見てとれます。
つまり、利上げのペースが鈍化することが想定されるのです。鈍化するとまでいかなくても、FRBが急ピッチで利上げを進めることはないと想定されます。
よって、今後もリート市場には資金流入が継続する可能性が高いと言えるのです。
また、過去の利上げ局面を見ると、一度下落した後に、再び上昇トレンド入りするケースが多いと言えます。
実際に、グリーン・スパン氏が利上げを行ったタイミングと、リート市場が上昇トレンド入りしたタイミングはほぼ同時と言ってよいでしょう。
いずれにせよ、米国経済のファンダメンタルズが安定している今、米国リートは買い場を迎えようとしていると言えるのです。
オーストラリアのリート市場も堅調
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8月に発表された豪州主要リートの決算は軒並み好調。雇用統計も高水準での推移を記録し、リート上昇の支援材料になりました。
一方で、リスク要因が存在することも事実です。米国、豪州共に、北朝鮮による地政学的リスクには注意が必要です。
ただ、米国同様に豪州のファンダメンタルズも安定しているため、大崩れはないと想定されます。
実際に、大手の不動産投資法人が、新規の物件取得に動いているとのニュースも発表されています。豪州市場でも、今後、さらなるリート市場への資金流入が想定されます。
米国、豪州共に商業リートの投資には要注意
リートはリートでも様々な種類が存在します。オフィス特化型リートもあれば、商業施設メインに投資する商業リートもあります。
さらには、住宅リートや、物流施設に特化した投資を行うロジスティックリートも存在します。結論から言うと、米、豪ともに商業リートの推移は芳しくありません。
豪州では、一時、大手商業リートの負債増加が嫌気され、売りが浴びせられたほどでした。
米国における、商業リートの値動き推移を見ても、住宅関連リートとオフィス関連リートに大きく水をあけられています。この点は、注意して海外リート投資を行いましょう。(執筆者:徳田 陽太)