保険料の支払いが難しいとき、契約に変更を加えるばかりができることではありません。
自動振替貸付や契約者貸付を活用すれば、保障金額や保障期間を変えることなく契約を継続できるかもしれません。
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目次
自動振替貸付
自動振替貸付とは、保険料の払い込みが一定期間なかったとき、解約返戻金の範囲で保険会社が貸付というかたちで自動的に立て替える制度です。
通常、生命保険や医療保険は、保険料の払い込みが一定期間なければ「失効」してしまいます。
しかし、保険料をカバーする解約返戻金があれば、それを元に保険を有効に継続させることができるのです。
注意点
自動振替貸付は、特に手続きをしなくても行われる場合がほとんどです。
そのため、保険料の支払いが滞ったとき、知らぬ間に保険会社から借金をしていることになるので、注意が必要です。
また、返済はいつでも可能ですが、所定の利息がつきます。
そのため、うっかり払い込みを忘れてしまったなど、一時的に保険料の支払いが困難になったときには便利な制度ですが、長期に渡り支払いの見通しが立たないのであれば、早めに契約内容の見直しをすべきです。
元利金の合計額が解約返戻金を上回ると、保険は失効してしまいます。
自動振替貸付を希望しない場合
あらかじめその旨を保険会社に申し出ておく必要があります。
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契約者貸付
まとまったお金が必要となった場合、加入する保険会社からお金を借りることも可能です。
これを契約者貸付と言い、解約返戻金を担保にお金を借りることになります。
借りられる金額
解約返戻金の70~90%の範囲、貸付利率は複利で3~6%ほどが多く、加入する保険や保険会社によって異なります。
契約者貸付の申し込みをしたい場合
保険会社のコールセンターに電話をして書類を取り寄せます。返済はいつでもでき、信用情報などに影響を及ぼすこともありません。
注意点
ただし、複利が適用されますから、借入期間が長くなれば借入金はふくらんでいきます。
もしも解約返戻金を上回れば、保険は失効してしまい、いざというとき保障を受けることができません。
また、祝い金や満期金を受け取る際、借入金が差し引かれます。
本来資金が必要なタイミングで、必要なお金が受け取れなくなる可能性があるので、本当に困ったときだけ契約者貸付制度を活用しましょう。
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自動振替貸付と契約者貸付は計画的に!
いずれも
・ 一時的に大きなお金が必要なとき
に有効な制度ですが、利息がかかるため慎重に行うべきです。保険を賢く有効に活用しましょう。(執筆者:近藤 あやこ)
【「保険料の支払いが苦しい」時の対応シリーズ】
第1弾:払済保険と延長保険
第2弾:減額・特約解約と転換
第3弾:自動振替貸付と契約者貸付 ←いまここ
第4弾:高度障害保険金