
節約情報に関心のある方なら、いまや常識のワザです。
もちろん、わたしも支払いのほとんどを楽天カード払いにして、年間約1万円分のポイントをゲットしています。
同じ金額を支払うのなら、ポイントをもらったほうが安く買ったのと同じ効果があるので、どう考えてもおトクですよね。
でも、クレジットカードのポイント還元率の平均は利用額の1%程度。
カード払いすると割引になるなどのさらなるサービスもありますが、それでも大きくて10%オフ程度ではないでしょうか。
けっして、その程度のポイントや割引などたいしたことないと言いたいわけではありません。
しかし、ポイントがたくさんついたということは、それだけたくさんお金を使ったということを忘れてはいけません。
目次
無意識に2割増の支出を許容してしまうクレジットカード払いのワナ
精神学医のデビッド・クルーガー博士著書の『「お金」のシークレット』には次のような興味深い記述があります。
数%のポイントが付いてオトクだからとクレジットカードを利用しているのに、引き換えに20%支出が増えてしまっているとしたら滑稽な話です。
しかも、ポイントがたまってトクしたつもりでも実はポイントの使い方がヘタで、よけいなモノを買ってしまったりうっかりポイントを消滅させてしまったりという残念な結末になっている可能性もあります。
ですから、クレジット払いで「多用テク」を実践して節約しているはずなのに、なぜか貯金ができていないという方は、一度クレジット払いをやめてみてはいかがでしょうか。
財布から払う日々の支払は現金にしよう

この6~7年でスーパーのレジでクレジットカードや電子マネーで支払う方がとても増えたと感じています。
おそらく、会計が速いということだけでなく、提携したクレジットカードで払えば割引やポイントアップなどのサービスを行うスーパーが増えているからでしょう。
みなさん、きっと少しでもおトクになるよう節約を意識されてるんですね。
しかし、現金払い主義の場合、もし財布に3,000円しか入ってなかったら、レジで足りなくならないように 慎重に買い物しますよね。
ですが、クレジットカード払いならレジでお金が足りない不安がないので、買いたいと思ったらいま必要なモノでなくてもカゴに入れてしまうということはないでしょうか。
さらに、洋服などもっと単価の高い買い物の場合、現金払いよりクレジットカード払いをするほうが5,000円と6,000円(つまり20%)の違いをあまり気にしないのではないかと思います。
このように、ちょっと想像しただけでも、クレジットカードを使うと支出が2割増しになるというのが真実味を帯びてきます。
まずはクレジットカード断ちを3か月
クレジットカード名人を自負しているけど支出を見直したい・貯金ができてないと思っている方は、3か月ほどクレジットカードを持ち歩くのをやめてみましょう。
固定費用をクレジットカード払いにしている場合はそのままでよいです。
その他の支払いにクレジットカードを使わないように、封筒などにカードを入れて封をしておきましょう。
もちろん、ネットショッピングもガマン。
これで支出減の効果を感じたらそのまま現金払い生活を続けてもいいですし、やはりポイントなどのオトクがほしいのなら、現金払いの感覚でクレジットカードを使えるように工夫しましょう。
たとえば、買い物にいくときはクレジットカード払いをする予定でも予算分の現金を財布に入れておきます。
そしてカード払いするたびに財布から現金を出して別の封筒に移すなどして、お金を使ったという事実をその都度確認しましょう。
もちろん、用意した現金以上の買い物はできませんよ!
クレジットカード払いは1~2か月先に請求が来ますので、請求金額を見てビックリすることが起こりがちですが、使った分の現金をストックしておけば引き落とし口座に入金するだけでOKなので平常心でいられます。

支出をコントロールできるようになってはじめてクレジットカードでトクをする
わたしは学生のころから、航空会社のクレジットカードでマイルをためてはタダで飛行機に乗ったりとクレジット払いのメリットは利用していましたが、ポイントはたまっても貯金はたまりませんでした。
主婦になると、支払いにタイムラグがあるクレジットカード払いは家計簿の管理方法がむずかしく、一旦クレジットカード利用をやめたことがあります。
そのときはちょっと不便でしたが、現金を持ってないと欲しいモノがあってもわざわざATMに行かないと買えないことが抑止力になり、支出が減りました。
そしてムダな支出をすることがなくなった今は、再びクレジットカード払いを駆使してポイントをガンガンためています。
今やポイント時代になり、現金払いでは損をする風潮すらあります。
ですが、クレジットカード払いによって実はポイントゲット以上に損をする消費者行動がみられるということをぜひ知っていてください。
もともと払ったお金からバックされるポイントのおトクに惑わされず、まずはムダな支出を増やさない習慣づけが最優先です。
クレジットカードのポイントゲットの研究は、支出をコントロールできるようになってからでもじゅうぶんですよ。(執筆者:野原 あき)