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よくある相談

公共料金の引き落しが、父の通帳より行っている方からの相談です。
銀行口座が凍結されたときの対処法
銀行は「死亡による口座の凍結」をしていると、口座からの引き落としを行いません。
銀行の口座が凍結されてしまうと、
・ 公共料金の支払い
・ クレジットカード会社の支払い
・ 固定資産税の支払い
・ 住宅ローンの支払い
・ 賃貸収入
などができなくなります。
それぞれの対処について説明します。
1. 公共料金の支払いについて
引き落としができないと、電気会社などの請求元から故人あてに「引き落としができなかった」と連絡があります。
引き落としが少々遅れてもライフラインである電気代や水道を即、止められることはありません。
同居されている方(配偶者や子)があれば、その家の電気、水道料金などは通常その方が支払われるので、自動引落しの手続きを行います。
2. 公共料金をクレジットカード会社経由にて支払っている場合
カード会社は、引き落とし不能でも電力会社などに支払いを代行をするので、電気代などは未納にはなりませんが、カード会社の支払い代行分は故人の債務として引き継がれます。
そのため、故人に連絡しても入金が未納のままであれば相続人全員に直接連絡が行き、〇日までに支払ってくださいといった連絡があります。
督促状が届いているのに放置をしておくと、ブラックリストに載る可能性があります。

3. 固定資産税について
市区町村から代表相続人の選任届などがきます。
この固定資産税を特定の相続人が支払ったからといっても、その固定資産を取得したことになるわけではありません。立替え人が決まるだけです。
4. 住宅ローンについて
住宅ローンは死亡保険がセットされていることが多く問題はないかと思います。付保されているか否か確認が大切です。
5. アパートの借入金は要注意
問題は相続税対策で建設したアパートの借入金の引き落としがあるときです。
銀行によりますが、自行の債権回収のため分割協議書ができるまで故人の通帳から引き落としを行ってくれるところもあるようです。
一応、連絡の取れる相続人から承諾はいただくようですが…
故人の通帳に数か月分の返済金がある場合は、その方法が一番簡単かもしれません。
死亡後、相続人が銀行に行き相談することをおすすめいたします。

6. 賃貸収入もストップされる?
「ストップされます。」
本来はアパートを誰が相続するのか決まらないと管理会社からも入金をしてくれません。
返済のため早く入金口座を決めたいときは、暫定的に、誰の口座に入金するのか「相続人全員からの承諾書(印鑑証明添付)」が必要です。
ということをはっきり言っておかないと、この承諾書をもらうのは難しいです。
相続手続きは、銀行など債権者の意向もくみながら行動しなければうまくゆきません。
同居していない場合
故人と同居している人がいないと、債務に相続人が気付かないこともあります。
書類がきちんと届くように、郵便局に転送の手配をしておくのもよいかもしれません。
公共料金の支払いなどは、連絡すると納付書を郵送してくれますので代表相続人が銀行やコンビニなどで支払えば大丈夫です。
債務を放置しない

死亡後の債務の手続きは相続人全員の署名は不要です。
とりあえず支払うと手を挙げた方が払っていただければ問題ありません。
いずれにせよ、こういった故人の債務を放置しておくと相続人の全員の問題として残ります。
他の相続人が支払うことになるかもしれない場合
他の相続人にも立替金であり、後日他の相続人が支払うこともあります。
大きな問題にならないように
・ 精算するお金があることを相続人全員で共有する
・ 立替え払いをする場合は相続人全員で打ち合わせる
ということが大切です。(執筆者:橋本 玄也)