世界的な株価上昇で幕を閉じた2017年度相場。低調な債券市場とは裏腹に、世界株価は20%の上昇を遂げました。
日本の株式市場も例外ではありません。昨年末、日経平均株価は2万3,000円にチャレンジする展開に。多くの投資家が恩恵を受けたことでしょう。
また、ビットコインはじめ、アルトコインの多くも大幅上昇。2018年のリスク資産はどのような動きになるのでしょうか。
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2018年度相場は量的緩和が鍵
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2017年度の相場は、主要先進国の好調なファンダメンタルズを受け大幅上昇しました。
一方で、量的緩和に株価が支えられた1年とも言えるでしょう。
ドイツ銀行のアナリストが発表したデータによると、2017年に世界の主要中央銀行が市場に注入した資金総額は1820億ドル。
この膨大な資本注入が世界のマーケットを支えた訳です。
しかし、その額は今年から縮小傾向。中には、500億ドル台まで縮小することを予想するアナリストもいます。
2018年の相場は好調なファンダメンタルズと、量的緩和縮小の綱引き。各国の中央銀行の金融政策に左右される1年になるでしょう。
アナリストの多くは3%以上の成長を想定
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では、アナリストの多くは今年の経済成長をどのように予想しているのでしょうか。
世界の大手金融機関、投資銀行のアナリスト、エコノミスト陣の予想を見ると、グローバル経済の成長率は軒並み3%以上の経済成長を予想しています。
なかには、4%を超える経済成長率を予想する者もいるほどです。
2018年のマーケットも好調なファンダメンタルズを背景に、強気のマーケットとなる公算が高いでしょう。
2018年は海外にも目を向けた投資を
日本のマーケットは少なからず、実態と株価上昇に乖離が見られます。
国内企業の業績が良いことには間違いありません。雇用情勢も改善傾向であることもデータが証明しています。
一方で、日銀による大幅な資金供給に株価上昇を支えられていることも事実です。
世界的な量的緩和縮小を背景にリスクオフが進んだ場合には、実態と株価上昇に乖離のある日本株には下落リスクがつきまとうでしょう。
すでに100カ月にのぼる経済成長が続いているものの、米国市場の株価成長には実態が伴っています。
また、ウクライナやカザフスタンのように株価指数の成長率が60%を超える国もあります。今年は、海外にも目を向けた投資が鍵になるでしょう。(執筆者:徳田 陽太)