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株式相場におけるアノマリー
株式市場においては「なぜそう動くのかは分からないが、なぜかその時が来ると、株式相場が前もって決められたように動く」ことがある。
株式投資の経験がある方なら、以下のような言葉を聞いたことがあるのではないか?!
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「未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い」
未年は相場が膠着し、なかなか上昇しないことが多く、申年と酉年は、相場のブレが激しく、戌年は相場が上昇する。
というアノマリーである。
「Sell in May, and go away(5月に売り逃げろ)」
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日経平均株価は、11月から翌年4月までは上昇する傾向が強く、5月~10月は停滞あるいは下落する確率が高いというアノマリーである。
年によってバラツキはあるが、この株価変動の季節性については、手掛かりとなる要素がいくつかある。
米国では個人の税金還付が1月にはじまり、2月~3月にピークとなり、個人が投資に回すお金が増える時期。
2. 日本国内では3月期決算発表前に先行して、業績がよさそうな企業に資金が振り向けられる傾向がある。
3. 4月の新年度入りに応じて国内機関投資家が、資金を投資に振り向ける時期と重なる。
4. 特に夏の時期は、欧米投資家が長期休暇を取るため、買い手が減る傾向がある。
過去50年でみると、日経平均を「10月末に買い、翌年4月末に売った」場合の成績は、37勝13敗、勝率はなんと74%、平均リターンは8.3%。
「4月末に買い、10月末に売った」場合の成績は、26勝24敗、勝率は52%、平均リターンはマイナス0.4%。
アノマリーはバカにできないことは明白だ。
「5月に売り逃げろ」というアノマリーには続きがある。
「セント・レジャー・デー(9月の第2土曜日)まで戻ってくるな」
これは、ウォール街の相場格言だ。
ちなみに、今年は笑う戌年! 今年の株式相場は、アノマリーどおりになるのか?(執筆者:釜口 博)