目次
解説
一般社団法人等に関する相続税等の見直しや、事業承継税制の拡充が大きな改正です。また、新しい税目として、国際観光旅客税(仮称)や森林環境税が創設されました。
1. 一般社団法人等に関する相続税・贈与税の見直し
同族関係者が理事の大半を占めている一般社団法人について、その同族理事の1 人が死亡した場合、その一般社団法人の財産を対象に、その法人に対して相続税が課税されます。
※原則、平成30 年4 月1 日以後の一般社団法人の役員の死亡に係る相続や贈与から適用
2. 事業承継税制の拡充
10 年間の特例として、猶予対象の株式の制限(総株式数の3 分の2)の撤廃、納税猶予割合の引き上げ(80%から100%)、雇用確保要件の弾力化を行うとともに、最大3 名の後継者に対する相続・贈与に対象を拡大します。
3. 国際観光旅客税(仮称)の創設
平成31 年1 月7 日以後の出国旅客から、下記の内容で創設されます。
✔ 納税義務者…日本から出国する国際観光旅客者
✔ 非課税となるもの…乗継旅客、2 歳未満の者、航空機等の乗員など
✔ 税率…出国1 回につき、1,000 円
✔ 徴収方法…航空会社や船会社が乗船時までに、課税対象者から徴収し、
翌々月末日までに納付
4. 森林環境税の創設
地方の固有財源として、平成36 年度から、市町村が個人住民税の均等割とあわせて、年額1,000 円の賦課徴収を行います。
要するに…
一般社団法人の利用による租税回避にふたがされたものの、納税者にとっては事業承継税制の使い勝手がよくなる改正もありました。
その他、新しい税目が創設され、それぞれ個人の負担額が増えることとなりました。(執筆者:小嶋 大志)