反転の兆しから反転しきれず、方向感なく中途半端な位置での揉みあいとなる一週間となりました。
今回の下落から38.2%の反発の中での揉みあいとなっており、反発の強さに関しては未だ疑問が残るような状況です。
今回の下落はさほど大きいとは言えないことから、まだ下があるかもという考えは未だ継続中と言えると考えています。
そうは言っても、メインシナリオは、今月半ばで底入れ反発というのが例年の動きと考え、そうなることを前提としていますが、下への警戒感はぬぐえないことからこのような言い回しとなっています。
2万1000円前後をサポートラインとした三角保合いを含む保合いが出来るのでは、という雰囲気もあります。
この後の展開としては、明確に決めつけられる要素はなく、上も下もあり得る環境下にいると考えます。
したがって現状は、下が2万1000円、上が約2万2500円というレンジでの揉みあいとなっており、このレンジから離れた方向に動くと考え、準備しています。

毎度のことですが、急騰 急落の後は揉み合いとなる事がセオリーで、そのタイミングで、もがくと無駄な損切が増えるという事となります。
しっかり揉み合うレンジを見分けられる能力を高め、待ち構えて動くという手法を身に付けることをお勧めしたいと思います。
トレンドラインを細かく引こうとすると、狭いレンジの上昇フラックが出来ているようにも見えます。
もう少し幅の広いフラックの中に狭い幅のフラックがあるような形に見えます。
早い動きではこの狭い方のフラックからの上抜け 下抜けで前哨戦となり、方向感を見いだす可能性と考えます。さてさてどうなるでしょうか?
そして週明けは、上で寄り付くことが想定されます。今回も5日線を跨ぎそうな雰囲気です。
この上で始まる流れから陽線となり、上抜けを始めるのか見極めとなりますが、今のレンジから飛び出すにはもう少し時間がかかると考えます。
ファンダメンタル的には、今回の下げの原因となる日米ともに金利上昇という流れが原因でした。
しかし、大きくは無いものの、米国では長期金利の低下という動きから、ダウの動きは反発となりました。
そしてダウは、高値を上抜ける直前まで値を戻しています。
ダウがこのまま素直に値を戻していくのであれば遅れてとはなりますが、日本も戻していくことは想定されます。
ただ、為替の円高に関しては未だ継続で106円台を推移しています。
この推移は、日本の主要産業である輸出関連に対しては大きな足かせとなり、3月末の本決算の内容を大きく動かすことが考えられます。
昨年(12月の第三クオーター)までの増収増益や過去最高益更新の雰囲気は消えると考えられます。
逆に決算の内容を見るまでは上がらないという動きとなり、決算発表で悪材料出尽くしという例年の逆の動き(4月末から5月天井の逆)もあり得る為替の状況です。
この辺りを市場がどのように判断していくのか?
見極めですが市場も慣れというのもあり得るので、一概に、円高イコール下げということも言い切れないとは思います。
目次
現状分析
5日線

一週間を通して上向きで位置は前半が上で水曜から木曜日にかけて跨ぐ形で下回り、下で週末入りとなりました。
今回、月曜日に上に乖離したのち、火曜、水曜で揉みあい乖離を詰めて上下への振れがどうなるという所で下という流れでした。
そして週明けが跨いで上という展開が想定され、このまま上抜けて行くかもという形状ですので注目です。
25日線
変わらず下向きで下に乖離した状況を継続しています。
この値段帯での揉み合いをすることで、25日線の下向きの角度が弱まり上抜けする準備をしているようにも取れます。
また、グランビルの売りの3を作っている(乖離を日柄調整して詰めるのを待っている)ようにも見受けられます。
今後、25日線と株価の絡み方に注目です。
75日線
下向きに変わった後、瞬間的に上向きとして再度下向きとなっています。
位置も一番上に75日線で、その下に25日線という下降トレンドを示す位置関係となっており、簡単には戻しづらい形状となっています。
トレンドライン
上に関しては前週同様1月23日と2月1日の高値を結んだラインと、2月7日と19日を結んだラインがあると考え、月曜日にこのラインたちに上抜けチャレンジをしてくることが想定されます。
さらには横軸で、12月8日の安値とほぼ同位置の2月7日の高値で窓の入り口の所と窓の出口となる2月5日の安値が気になるところです。
そしてその間辺りに25日線が下りてきました。
週明けの1週間で、25日線との乖離が詰まると考えられるので動きが出る可能性も出てきます。
下に関しては直近の2月22日の安値(重なるように2月13日の高値)の横軸と同じく横軸で2月14日の安値、さらには2月6日と14日の安値を結んだライン、そして前々からの昨年の4月と9月の安値を結んだラインと考えます。
テクニカル指標
一目均衡表

下降を示した状況で変わらずです。
気になるところは3日後に高値(1月23日)から26営業日となり天底一致となります。
ボリンジャーバンド
今週-1σを上抜けたことで急落は終焉という動きとなりそのまま下向きの-1σをサポートラインとして維持しているような値動きです。
バンド自体が下向きなので明確に反発とは言えないものの下げ止まった雰囲気は見え隠れする状況です。
スローストキャスト
2本のラインがしっかり買われすぎゾーンに到達したことで、こちらも急落は終焉を示しています。
このまま反発を示唆するには折れて下げ始めた2本のラインが早い段階で再度 上向きに戻すことが条件です。週明けに実現するか? 注目です。
総合判断

1月後半から始まった急落の勢いは一旦終焉と考え、揉みあい入りとなり、今後の見極め状態と考えます。
その上で反発になるのか? 再度 下抜けしていくのか? しばらく揉み合いが続くのか?
という状況と考えます。
前から申している例年のパターンだと、2月半ばに底入れしたものは1か月前後で2番底を付けて、3月の権利取り、年度末に向けて反発し、4月末から5月に天井を付けに行くという流れを今のところメインの想定とし、下への警戒感は維持しています。
臆病すぎる考えではありますが、この世界で長く生きていくには臆病であることは必須です。
大きな利益より 大きな損を出さないことを鉄則として判断することをお勧めします。
週明け動きが出始める可能性があります。気を抜かずに緊張感をもって見極めていきましょう。(執筆者:城 晶子)