年明け後に大きく上昇していた株価が2月に入ってから数日で急落し、一時は1,600円以上の下落も見せました。
どの程度の期間で以前の水準まで回復するかは不透明ではあるものの、配当狙いでの投資は魅力的になりました。
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今回は、配当利回りが4%以上ある東証1部銘柄を3社ご紹介いたします。
目次
日本たばこ産業[2914]
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最低投資金額:30万9,600円
1株当たりの年間配当:150円(2018年12月期予想)
配当利回り:4.84%
権利確定月:6月・12月
2017年12月期に13年連続で増配している日本たばこ産業は、高配当銘柄として名高い銘柄です。
今回の株価下落と2018年12月期の増配予想から、現時点で配当利回りは4.84%となっています。
2月6日に発表された決算短信によれば2017年の業績は減収減益、2018年の予想では売上は3.8%増、利益はプラスマイナス0と決してよい業績とは言えません。
この2年は株価もじりじりと下落基調が続いていました。
しかし、配当の魅力が高い銘柄のため、ある程度株価が下がっても買われる傾向があります。
株価上昇への期待は難しい面があるかもしれませんが、配当狙いの投資として考えれば大変魅力的です。
日産[7201]
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売買単位:100株
最低投資金額:11万1,950円
1株当たりの年間配当:53円(2018年3月期予想)
配当利回り:4.73%
権利確定月:3月・9月
無資格者が完成車の検査を行っているという不正検査問題によって、出荷停止やリコールを余儀なくされた日産は、18年3月期と19年3月期の業績が悪化する見込みです。
問題発覚後は株価が急落しましたが、悪材料の出尽くしや昨年から年明けにかけての株高を受けてか、徐々に値を戻してきたところで、今回の大幅下落に見舞われました。
想定為替レートが111円のため、現在の円高が継続すると業績に悪影響を与える懸念もあり、株価が今の水準よりさらに下がることも想定できます。
過去5年の株価の推移を見ると、900円から1,300円の間で上下しており、状況によっては1,000円割れもあり得るかもしれません。
一度に何単位も購入するのではなく、様子を見て下がれば買い増す、という方法が良いかもしれません。
キャノン[7751]
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売買単位:100株
最低投資金額:39万6,600円
1株当たりの配当:160円(2017年12月期)
配当利回り:4.03%
権利確定月:12月・6月
2017年12月期は、オフィス機器やカメラなどの既存事業の収益力が大きく向上したことに加え、電子部品に回路パターンなどを焼き付ける露光装置などの新規事業が急成長しつつあり、増収増益を達成しました。
2018年12月期は2年連続での増収増益を目指しています。
キャノンは過去29年間一度も減配をしておらず、配当維持もしくは増配を重ねてきた会社です。
今期の配当は現時点で未定ではありますが、業績内容によっては増配が期待できそうです。
過去10年の株価の推移を見ると、4,500円近くまで株価が上がると再び下がるという状況が続いていました。
好業績が示され4,500円を突破できるようであれば、今後さらに株価の上昇も期待できるかもしれません。
大きな下落局面では大企業に注目
今回ご紹介した銘柄は誰もが知る大企業です。
私自身は大企業よりも成長性の高い中小企業を狙う方が好きですが、今回のような大きな下落局面では大企業にも注目します。
これから先の下落リスクが以前より少なくなっていること、配当をしっかりと出す方針の企業が多いことが理由です。
市場の状況に合わせて冷静に自分の投資方針を転換していきたいなと思います。(執筆者:高橋 珠実)