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革バッグのコスパの良さは「あなたの手入れ」次第
春になると、革のバッグを持つ機会が増えます。
少し前までは、高級ブランドの革のバッグは、卒業式や入学式などの「特別な日にだけ使うもの」でした。
しかし、最近はコスパ意識や「使わないともったいない」と考える人が増え、革のバッグを普段使いする人が増えているのです。
女性の中には、布のバッグやエナメルのバッグなど、比較的安く手に入るバッグをたくさん持っている人もいますが、意外と使用頻度が高いバッグは限られていることが多いのです。
「安いから」と思って買っていたバッグでも「塵も積もれば山となる」という言葉の通りにならないようにしたいものです。
革のバッグは、布やエナメルと比べると高価な商品が多い傾向があります。
しかし、革のバッグは布のバッグと違い、使えば使うほど味が出てくるのです。
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物の価値は、購入後から右肩下がりが常識ですが、右肩上がりになる「革のバッグ」はコスパや節約の観点からも優れた物なのではないでしょうか。
一般的に「高いものは長持ちする」と考えられ、根拠もなく「革は長持ちする」と思っている人も多いようです。
しかし、革のバッグは「手入れ」をせず使い方を誤ってしまうと、驚くほど早く劣化してしまうことがあります。
「いいものを長く使う」ためには「手入れ」が欠かせません。
高い買い物にするか右肩上がりの買い物にするかは、あなたの手入れ次第なのです。
擦れや色落ち程度なら自分でなおして修理代を節約する
革のバッグを通勤に使っていると、エスカレーターの手すりとの摩擦で表面が擦り傷だらけになってしまうことがあります。
擦り傷は面積が大きいため、傷は目立ち古ぼけた印象を与えるのです。
革のバッグは、修理専門業者に依頼して色を染めてもらったり、補ってもらったりすることもできます。
しかし、面積によって料金が変わるため、擦り傷のように面積が大きくなると修理代が高くなるのです。
そんなときには、自分の好きな色に塗ってみてはいかがでしょうか。
筆者もやってみました
フランス製のサフィール「レノベイティングカラー補修クリーム25ml 1,296円(税込)」を使えば、絵の具で塗り替える感覚で修理ができます。
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色の種類も豊富にあり、違う色を混ぜて好みの色を作ることも可能です。
手についてしまってもお湯で洗えばきれいに落ちるのに、バッグに塗ったクリームは一度乾くと色うつりすることがありません。
筆者も、30㎝四方でマチが12cmのショルダーバッグの色落ちが激しかったため、全面の塗り替えをしましたが、クリーム1本でショルダーベルトまできれいに塗り替えることができました。
専門業者に依頼したら1万円以上の見積もりでしたが、わずか1,200円できれいなバッグに生まれ変わることができました。
元の色はこげ茶色でしたが、前面にクリームを塗ることで色むらなく小豆色に塗り替えることができたのです。
長年愛用しているバッグですが、色がリニューアルしたため、新しいバッグを買い替えたようなお得感もあります。
1本のクリームを節約して使うコツは、手や指を使ってクリームを塗ることです。
「ボロ布にクリームを取り出して塗る」という情報もありますが、ボロ布にクリームを出してしまうと、ほとんどがボロ布に吸収されてしまいます。
クリームに直接触れたくない場合は、ビニール製の使い捨て手袋をするといいでしょう。
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革の「つや出し」に靴用クリームはダメ
きれいな色に仕上がると、つや出しもしたくなるものです。
革のつや出しといえば、靴用クリームやワックスをつかいたくなるかもしれません。
しかし、靴用のクリームやワックスはバッグに使ってはいけません。
なぜならば、靴用のつや出しはにおいが強いものが多く、バッグに使ってしまうと、何日間も強いにおいに悩まされることになるのです。
さらに、靴用のクリームやワックスは服についてしまう可能性があります。
革のバッグの「つや出し」や日頃の手入れに使う油分は「いつも使っている乳液」がおすすめです。
乳液は、ワックスや固形のあぶらよりもサラッとしているため、伸びがよく塗った後も服に油分がつきません。
ただ、ヌメ側のように革表面の加工がほとんどされていないものは「しみ」になります。
乳液で手入れをするときには、目立たない個所で試し塗りをしておきましょう。
高級ブランドの革バッグなら「パーツの取り換え」でリニューアル
筆者が自分で塗り変えたCOACHのバッグは8万円ほどで買ったバッグです。
お気に入りで日常使いにしていたため、汚れも激しいバッグですがパーツの傷みは少なかったため自分で手入れをすることにしました。
しかし、バッグにはもっともっと高級なブランドがたくさんあります。
女性の憧れのブランドである「ルイ・ヴィトンのモノグラム」を持っている人も多いのではないでしょうか。
「ルイ・ヴィトンのモノグラムの本体は革でできている」と思われていることがありますが、本体は革ではありません。
革だと思って自己流の塗り替えはしないようにしましょう。
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ただ、持ち手などに使われている薄い色の部分はヌメ革です。
年月を経て「あめ色」に変わっていきます。
しかし、上手に「あめ色」にさせることは難しく「汚れ」にしか見えない色に変わっていくことも多いのです。
そんなときには、持ち手だけを取り替えてリニューアルしてみましょう。
バッグの買い替えは出費が大きく、ハードルが高いものですが「パーツの取り換え」ならばハードルは低くなります。
革バッグや高級なブランドバッグは「高いからコスパがいい」のではなく、「手入れ」に耐えられる強さを持っているのです。
そして、その強さを生かすことで、コスパと魅力は右肩上がりによくなるのではないでしょうか。(執筆者:式部 順子)