スマホの浸透により、モバイル決算が加速している中国。
2017年には総人口の55.5%がインターネット利用をしていると報告されています。
モバイル決算の増加により、大都市だけでなく中規模都市のネット利用者も増え、特に破格で購入できる共同購入がその流れを生み出したと言われています。
最近「拼多多(pinduoduo)」というアプリが人気で、必要人数を集めないと激安で購入できないという独自の販売方法が特徴です。
ネット業界大手のテンセントが資本提携しているので、ライバルはアリババ系のタオバオ(天猫)と言えるかもしれません。
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目次
ゲームミッションのような独自の販売方法
日本で「共同購入」というとクーポン購入が一般的ですが、このアプリはクーポン購入型ではありません。
商品ごとに参加人数に決まりがあり、アプリ利用者自ら親戚や友達、知り合いなどにSNSで声をかけて、共同購入を宣伝させるという仕組みが独特です。
例えば、定価268元の電気ポットが単独(一人で)購入価格だと189元。
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共同で購入すると159元で一番安く購入できます。
この電気ポットは、共同購入として2人以上一緒に買う必要があり、自分以外にもう一人購入者を集めなければなりません。
安く買いたいなら、みんなにシェア!

欲しい商品を購入し、決算ボタンを押すとすぐに、SNSシェアに飛ぶように促されます。
人数を集めるためにWechatやQQといったSNSを利用し、友達や知り合いに自分で宣伝します。
もし一定時間内に人数が集まらないなら、グループは立ち消え、購入できません。
お得に買い物をしたいので、SNSを送ってみんな必死で宣伝します。
でも、他のグループが残りあと一人集めるとミッション達成の場合だけ、「あと一人ボタン」が画面に出ます。
このボタンを押して、見知らぬ人のグループに入って購入することもできます。
どうしても自分で集められないときは、他のグループを探すのも一つの方法です。
目が離せない秒殺セール
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毎日秒殺タイムセールが行われています。
このセールは、他のECサイトよりも破格で販売されていて、販売個数も限られているので人気があります。
化粧品からスマートフォン、食品やアパレルまでさまざまな商品が取り扱われていますが、どれも激安なので、あっという間に商品が売り切れになります。
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人気の秘密は「現金クーポン」
SNSでアプリアカウントから送られてきたり、商品購入決算後、ルーレットが出て紅包(中国のお年玉)」という現金クーポンがもらえます。
激安価格に加えて、この現金クーポンでさらに安く購入できるのですが、この現金クーポンをゲットするには、SNSでシェアしなければなりません。
それで、友達に送ったり、逆に友達から送られたりして、毎日アプリをチェックしなければ…と促される仕組みです。
タオバオに追いつけるか!?
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QuestMobileの統計によると、2017年11月タオバオアプリをアンインストールした利用者中の50%が12月に拼多多アプリをインストールし、使用していると報告しています。
逆に、拼多多アプリ利用者の78%は、タオバオもダウンロードしており、両方のアプリを上手に使いこなしている様子も分析されています。
拼多多もタオバオも全体的に価格帯が低めなので、利用地区や利用者が重なりやすい傾向があるようです。
中国全土へと広がりを見せるEC市場、今後どのように変化していくのか注目です。(執筆者:桜井 まき)