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お金がみえる貯金箱を選ぶ
子どもには、お金に困らない人生を歩ませたいと思うものです。
そのためには、お金を上手に使い、ためられるようにする必要があります。
大人がお金の管理を始めるときは、家計簿やお小遣い帳をつけて収支を管理することから始めるでしょう。
しかし、小さな子どもにお小遣い帳を毎日つけさせることは難しいことであり、無理強いしてしまうと「お金を管理することは大変なこと」と思わせてしまう可能性があるのです。
≪関連記事≫:子どもへの「お小遣い」いくら渡してる? 管理の仕方、使い方のルールについて
子どもにお金のためぐせをつけさせるときに、一番大切なことは
という楽しさに気がつかせることなのです。
子どもはお金を貯金箱に入れて、頻繁に出し入れするものです。
一般的な貯金箱は、入り口が細長く、底にゴムの栓がしてあります。
この形の貯金箱は、お金を入れる楽しさはあるのですが、入れたお金の量を目でみて確認しにくい短所があるのです。
子どもは、貯金箱の中を直接みることで増えたか減ったかを実感します。
そのため、入り口が細長い貯金箱よりもパカッと蓋が開く入れ物のほうが「お金がたまっていくこと」を実感できるのです。

入れ物は、海苔が入っていた缶やお菓子の空き箱でもいいのですが、一番のおすすめはディズニーランドとディズニーシーで売っているポップコーンバケットです。
プラスチック製で2,000円前後と値段は高めですが、丈夫で蓋が簡単に開け閉めできるため、小銭をたくさん入れることができます。
ディズニーランドに行くたびにポップコーンバケットを買うけれど、使い道がなくてキッチンの片隅にぶら下がっている家庭も多いのではないでしょうか。
ポップコーンバケットは、たくさんの種類があるため、子どもが好きなキャラクターのものを選ぶことができます。
ポップコーンバケットの中に、小さな小銭入れを入れておき、お小遣いを使うたびに必要な分だけ小銭入れにお金を移し替えるようにすれば、お小遣い帳をつけていなくても、使えばお金は減るということをしっかりと感じることができます。
見えないお金は親が管理する
小学校の道徳の授業で先生が「欲しいものを買おうとしたとき、お金が足りなかったらどうしますか」と質問しました。
生徒の一人が「カードで買えばいい」と答えました。
最近は、電子マネーが一般的になり、お金の種類もお札と小銭だけではなくなっています。
子どもに目に見えないお金まで管理させては大変です。
習いごとの交通費は、現金ではなく交通ICカードを持たせている家庭がほとんどですが、交通ICカードはチャージ式であり、チャージしてあれば売店で買い物に使うこともできます。
ピッとカードをかざすだけで商品を手にすることができるため「お金を使った」という感覚がわかないのです。
子どもに電子マネーを持たせるときには、「電子マネーは交通費だけに使う」などのルールを決めたほうがいいかもしれません。
見えないお金は、電子マネーだけでなくゲームの中にも存在します。
子どもは「課金すれば強くなる」ということはわかっても、「ゲームの中の課金」と「店での買い物」は遠く離れたイメージを持っているものです。
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お小遣いの支給方法は定期支給とお駄賃支給の両使いがいい
お小遣いをあげるとき、額を気にする親は多いのですが、実は額よりも支給方法の方がポイントかもしれません。
お小遣いの支給方法は、毎月500円のような「定期支給」とごみ捨て1回につき30円というような「お駄賃支給」の2種類があります。
定期支給のメリットは、お小遣いの額が一定であるため、お金を計画的に使うくせをつけることができることです。
デメリットは、何もしなくてもお小遣いが毎月入ってくるため、お金は簡単に手に入るものと思ってしまう可能性があることでしょう。
一方、お駄賃支給はお金と労働の関係を知るメリットがあります。
「働くことでお金が稼げる」という大切なポイントを理解することができるのです。
デメリットは「お金にならない手伝いはしない」と考えてしまう可能性があることです。
なんでもお金に換算して考えてしまうようになるかもしれません。
2つの支給方法を両使いすることで、お金を計画的に使い、労働とお金を結びつけることもできるようになるのではないでしょうか。
最初のうちは「ゴミ捨て1回30円」と大人が決めたルールに従うだけですが、成長とともにお金が欲しいときには自分で仕事を作ったり、始めたりするようになります。
最近は、いい大学を出ていい会社に入り、与えられた仕事を忠実にこなすだけでは生き残れない時代になっています。
時と場合によっては、新しい仕事を自分で考えたり、現状を打開するためのアイデアを考えたりするくせをつけさせるためにも、2つの支給方法は両使いがおすすめです。
中高学年になったら口座を作って「ふやす」を教える

小学生になるとお年玉やお祝い金の額が増えるため、見える貯金箱だけでは管理が難しくなります。
中高学年になったら、子ども名義の口座を作って貯蓄を教えましょう。
口座を開設するときにも、できるだけ子ども本人に話をさせます。
未成年が口座開設するときには、子どもだけでなく保護者の身分証明書も必要になることがあります。
事前に必要書類を確認しておいた方がいいでしょう。
小学生の平均お年玉額は2万5,000円程度と言われています。
お年玉だけを預金していても数年後にはかなりの額をためることができます。
貯金箱の中で「重さ」として感じていたお金の量を「数字」で感じられるようになれば「ふやす」楽しみを知ることができます。
「預けるだけで利子が増える」ことから金利に興味を持つきっかけにもなるのです。(執筆者:式部 順子)