上値追いの雰囲気で始まった一週間でしたが、想定通り、世の中が上値追いの雰囲気を出したところで押すという流れとなりました。
節目とする25日線を割り込むところまで押したところで、下げ渋る形を作って週末入りです。
今回付けた高値で、今年の高値から3月26日までの下げに対して61.8% の戻りを実行したところで足踏みとなり、今回の押しとなりました。
過去の経験則から、一気に61.8%もの反対の動きをすると、足踏みないし反発・反落という動きをすることが多々見受けられてきており、今回もそのような動きになっていると考えられます。
昨今の上値追いの要因としては、いろいろなことがあるものの、大きな影響を与えているのが、世界的な地政学的リスクの後退となっており、米国と北朝鮮の友好的な動きが影響しておりました。
その友好的な動きに対して、「6月12日の対談という象徴が延期ないし中止」というニュースが流れたことで、再度、地政学的リスクの高まりという見立てから、今回の押しは発生してると思われます。
更には、国内の政治不信も原因の一つと考えられますが、やはり米国・北朝鮮問題が最大の要因であると考えます。
今後も、この問題の方向性で相場が右往左往することが考えられます。
私自身も、今回の米国・北朝鮮の問題が、すんなりと簡単に解決に向かうはずがないと考えていたので、まあ想定の状況といえます。
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その中で、今後の展開は、延期中止という流れとやっぱり開催という発言が入り混じるのではと考えられ、その都度、相場は上がったり下がったりという展開となりそうと考えます。
その上で、テクニカル的な考えと合わさっての動きを想定しながら、今後の動きに合わせた建玉を考えたいと思います。
従って、目先としては、この押しが「どこまで・いつまで」と想定するかとなりますが、日柄では、雲のねじれとなる週明け火曜日・水曜日辺りで明確な反発、というのが、一つのシナリオです。
下げ止まりポイントとしては、現状の25日線近辺が第一候補で、その下としては、2万2000円どころで、フィボナッチの38.2%押しが、可能性としては高いと考えます。
前提としては、「上げている最中の押し」という考えで、上記の下げ止まりを考えていますが、もしかしたら、この前提が崩れているという可能性も消せないので、このまま下落に入っていくとしたらどのような《玉の回し》をするかも考えて準備することは必要であると考えます。
現状は、25日線が上向きであることから、すんなり一気に下落というのは、相当明確な下落理由が出てきた時と考えられるので、そのような事とかが起きずに下落に向かうには、もう少し時間をかけて25日線の向きを意識しつつ、下落が始まると考えます。
勿論、下落に向かう要因は、今のところ見えないですが、「見えないところから始まるのが下落」ですので、緊張感は持ちたいと思います。
しかし、今のところは上昇トレンド中というのが大前提で、「下げ止まりポイントを模索」というのが、現状、私の考えの中心です。
それから、不動産の動きが、金融を絡めて、バブルを象徴する展開を作りつつあります。
すぐに相場に大きな影響を与えるということではないですが、先々に対して警戒感は常に持たなきゃいけない時期に来ました。
「スルガ銀行問題」に関しても、規模がどんどん大きくなり始めています。
そして、更なる問題も浮上することも考えられ、この問題をきっかけとした相場への大きな影響も考えられるので、動向を注視していきたいと思います。
目次
現状分析
5日線
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週前半は上向きで、後半は下向きとしました。位置としては、上に乖離した状況から、週半ばにまたぐ形で下へ押す形となり、乖離を広げての週末入りとなりました。
3月26日の底入れ以来、本格的に向きを下に変えたのは初めての動きですので、単純に押し目という考えは、危険な雰囲気はあるので注意しましょう。
25日線
変わらず上向きを維持しています。
位置は、上に乖離しているところから一気に乖離を詰めてタッチし、割り込みました。
終値で2日間割込み、金曜日は陽線形成するも、下に乖離してきました。
この辺りも、向きは上向きですが、警戒が必要な動きと考えます。
75日線
変わらず下向きのまま、位置も上を推移で、変わらずです。
トレンドライン
4月19日の高値・5月7日9日の安値が横並びとなっており、この横軸ラインが、この週末のサポートラインとなっているように見受けられます。
その下としては、2万2000円どころの横軸が想定されます。
更にその下としては、200日移動平均線が意識されます。
上に関しては、まずは25日線の回復と5日線で、その上が直近高値の2万3050円と考えます。
テクニカル指標
一目均衡表
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未だ上昇トレンド示唆と考えます。
ただ、基準線・転換線は割り込んだことで、警戒感は出すべきです。
この後の、前々から申している雲のねじれをどのように迎えるか? 注目で、現状、押してねじれとなりそうですので、ねじれから反発という可能性も出てきたと考えます。
ボリンジャーバンド
+1σ を割り込み、TPラインも割り込みました。
バンドが収束していることで、この収束がさらに加速すると、この後の展開で、新たにトレンドが始まることが考えられます。
現状は、-1σ をサポートラインとできるかに注目です。
スローストキャスト
久しぶりに買われすぎゾーンでの波うちから下離れし、一旦(いったん)、強い状況が終焉となる動きを示しています。
この後、2本のラインが、どの位置でゴールデンクロスとなり、そのあと、しっかり上までラインが上がり切れるかに注目です。
総合判断
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ここ2か月続いた強い動きは一旦(いったん)終焉で、
「明確にトレンドを崩すか」を、今後の展開として注目です。
現状では、まだ崩れたとは言い切れないので、週明け早々に戻せるか注目したいと思います。
相も変わらず、わかりにくい相場となっていますが、やるべきことは決まっています。
結果的には、「なんでこのような動きとなったか」は説明がつくので、事前にその動きを自身の想定の範囲に入れられるかがポイントです。
幾つかの想定をしっかりして、週明けも見極めてまいりましょう。(執筆者:城 晶子)