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やりましたか?「仮想通貨」の確定申告
今年3月の確定申告でもっとも注目を集めたのが「仮想通貨の確定申告」。
先日25日、国税庁が仮想通貨関連の確定申告の結果を発表しました。
それによると、仮想通貨による収入が1億円を超えた人が331人だったとのことです。
2年目は国税庁のチェックが厳しくなる可能性あり
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この結果について、国税庁は
とのコメントを残しています。
というのも、今年4月10日、日本仮想通貨交換業協会が発表したレポートでは、仮想通貨の預かり資産額で1億円以上のものは268口座(全体の0.02%)という内容が明らかにされているからです。
大きな誤差がないために、「まぁこんなもんだな」と国税庁が判断したものと思われます。
仮想通貨の業界関係者からは「少なすぎるのでは?」との声
手数料の安さからBinanceなど海外の取引所を使っている人も少なくありません。
また、取引所で大きな金額を動かして目をつけられることを避けて、相対取引を行う人もいるでしょう。
さらに、仮想通貨による利益は売買や使用だけではなく、マイニング(採掘)による収入もあるはずです。
日本の取引所のデータが実態のすべてを表しているとは言いがたいのです。
業界関係者の声も国税庁が聞き逃すとは思えません
平成29年は急激に高騰した仮想通貨への取扱いについて国税庁は慌ただしく対応したに過ぎません。
時間の経過とともに、実態を調査・把握し、課税逃れや不正申告の防止の姿勢を強化する可能性があります。
次の仮想通貨の確定申告への準備とは

1. 売買、使用の記録を残しておく
原始的なことですが、仮想通貨の売買(邦貨による利益確定だけでなく仮想通貨同士のトレードを含む)や仮想通貨を使ったモノやサービスによる購入を記録しておくことです。
記録する内容は次の通りです。
・購入・売却・使用の日付
・購入・売却・使用した仮想通貨の種類
・購入・売却・使用した仮想通貨の数量
・購入・売却・使用した仮想通貨の1単位当たりの日本円の金額(レート)
・仮想通貨の購入金額・売却金額・決済金額
取引所のほとんどは、様式こそ違うものの、それぞれの取引データをCSVファイルでダウンロードできます。
これを元に作成していってもいいでしょう。
損益は仮想通貨の種類ごとなので、Excelなどで
・ 仮想通貨の種類ごとにシートを作成し、その中で1年間の記録をつけていくことが望ましい
・ 仮想通貨の雑所得あるいは事業所得の計算上、必要経費となりうる書籍代やセミナー代、電気代や通信費などを記録
・ 領収書の保管も必要
人によっては複数の取引所を利用したり、取引所間で仮想通貨を送金したりしているかと思います。
・ 両方の取引所の記録も残しておく
2. 仮想通貨損益計算ソフトを活用する
今年の仮想通貨関連の確定申告への悲鳴に対応して、クラウド会計ソフトや税理士などが仮想通貨の損益計算ソフトを慌ただしくローンチしました。
効率的に計算したい人向きです。
無料ソフトには、主に次のようなものがあります
・ Cryptact
・ G-tax
・ Keiry
・ Bittax
・ freeeも2017年に仮想通貨損益ソフトサービスを開始しましたが、現在休止中です
ただ、これらのソフトも完ぺきではありません。
取引所からダウンロードしたCSVを仮想通貨の種類によってはアップロードでエラー表示されることもあります。
また、仮想通貨は移動平均法か総平均法のいずれかによる取得価額計算となっていますが、どちらかしか適用できないソフトもあります。
念のために、自分でもExcelなどで記録をつけておきましょう。
時間のある今のうちに、いろいろな損益計算ソフトを試してみるとよいかと思います。
自分と相性の合うものを見つけておくと、後々の効率化につながるからです。
まとめて、焦って…が「大変」の原因

仮想通貨に限らず、すべての確定申告に言えることですが、苦しむ原因のほとんどは「日頃の準備をしていないから」です。
日頃からこまめに記録や資料整理をしておくと、確定申告間際は確認作業だけで済みます。
また、申告期限間際は突発的なトラブルも発生しやすいものです。
期限間際で慌てることのないように、今からコツコツ準備しておきましょう。(執筆者:鈴木 まゆ子)