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小学校高学年になって家庭科が始まったら
小学校高学年になると家庭科の授業が始まり、自分のお裁縫セットを購入します。
そのため、夏休みの自由研究に手芸作品に挑戦する子どもが増えてくるのです。
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しかし、バッグや洋服を縫うには高度な技術と知識が必要です。
難しい作品は完成度が高くなりますが、大人の手を借りる必要があり「自分で作った」という満足感を味わえなくなってしまうかもしれません。
そこで今回は、裁縫の初心者テクニック「波縫い」だけでできるピンクッションを紹介します。
「波縫い」だけでできるピンクッション
使う材料は、どこの100円ショップでも売っている「ココット皿」です。
ココット皿は、深さといい重さといいピンクッションにピッタリの材料になります。
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作り方は簡単
まず、ココット皿の直径よりも5cmほど大き目の円(ココット皿の直径が7cmならば直径12cmの円)に切った布の外側から5mmほど内側を波縫いします。
波縫いで一周回ったら玉止めをせずに糸を引っ張り、口を絞ります。
てるてる坊主の形になったら、中に綿を詰めてクッション部分の完成です。
中に詰める綿は、100円ショップで売っているポリエステルの綿にします。
脱脂綿は、針が刺さりにくくなるため避けたほうがいいでしょう。
昔は、針の滑りをよくするために髪の毛を中に詰めることもありました。
髪の毛を詰める場合は、美容院で髪をカットするときに「切った髪を持ち帰りたい」と伝えてみましょう。
てるてる坊主(クッション)ができたら、絞り口を下にしてココット皿にはめ込みます。
ココット皿の縁とクッションにすき間が開かないようにはめ込むときれいに仕上がります。
ココット皿は深さが深いため、針が短いとクッションの中に埋もれてしまうかもしれません。
針が埋もれてしまうことを防ぐために、ココット皿の底にコルクを2つほど入れてからクッションをはめ込むと針が埋もれる心配はありません。
クッションをココット皿にはめたら、ボンドで固定します。
ココット皿とクッションの境目の目隠しにレースやリボンを両面テープで貼れば完成です。
両面テープが貼られたレースやリボンも100円ショップで購入できます。
クッションを作るときの「波縫い」と「絞り」ができれば、ヨーヨーキルトも作ることができます。
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小さなヨーヨーキルトを周りに貼りつけると華やかさがプラスされます。
クッション部分に使う布によって、カップケーキのようなピンクッションになったり、お花畑のようなピンクションになったりする楽しさがあります。
ピンクッションは、多少波縫いが雑になってしまってもココット皿の中に入ってしまうため問題ありません。
小さな部分にこだわらず、大胆に作る方がきれいにできる作品です。
針を使わず本格アクセサリー作り! 「ワックスコード」なら初心者でも簡単
「針を持つことは苦手だけど、紐を結ぶことならできる」という男の子は、本格的なアクセサリー作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
天然石を使えば、男女関係なく使えるアクセサリーになります。
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100円ショップの手芸用品売り場に行くと、さまざまな紐がたくさん並んでいます。
道具を使わず指で紐を結ぶだけで立派な作品が作れるのです。
しかし紐によっては扱いづらいものがあります。
コシのないやわらかな紐は思い通りに動かすことができません。
初心者でも結びやすい紐は「ワックスコード」という蝋引きされた紐です。
紐のまわりに蝋がコーティングされているためコシがあり、粘土を扱うように紐を動かすことができます。
「ビーズアクセサリーは細かすぎる」と思う人は、ワックス―コードに天然石の大ぶりなビーズを通して結んでみましょう。
ワックスコードは太さがあるため、結ぶことができるようになれば、小学生でも簡単に大きな作品にチャレンジすることができます。
掃除だけじゃない! 100円ショップの「重曹」で草木染
草木染は、身の回りの植物や野菜を使って色の変化を楽しむことができます。
原料の色からは想像できなかった色があらわれることもあり、夏休みの自由研究にピッタリのテーマです。
実は、100円ショップで「お掃除グッズ売り場」もしくは「食品売場」にある「重曹」を使えば、自宅でも簡単に草木染をすることができます。
お掃除グッズ売り場にある重曹を使う場合は、表示をみて重曹以外の成分が含まれていない粉末のものを選びます。
草木染は、原料となる草や花を煮詰めて「染め液」を作り、布を浸したら「媒染液」につけて色を定着させます。
玉ねぎの皮がおすすめ
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夏休みの自由研究の場合は、玉ねぎの皮を使ってみるといいでしょう。
玉ねぎの茶色からは想像もできない鮮やかな色に染め上がります。
まず、玉ねぎの皮の茶色い部分をたくさん集めて、鍋で20分ほど煮出し「染め液」を作ります。
染め液は濃ければ濃いほどきれいに染め上がります。次に布を染め液に浸します。
染め液がたくさんあるときは、布を入れた状態で5分程度煮込むといいでしょう。
布に色がついたら絞ります。染め液に布を浸すと一時的に色がつきますが、洗濯をするとすぐに色落ちしてしまいます。
布に色を定着させるために、媒染液に1時間ほどつけましょう。
媒染液の作り方は、水1リットルに重曹3g程度を溶かすだけです。
媒染液につけ込んだら水洗いし、乾燥させて完成です。
色が薄い場合は、染め液につけるところから繰り返すと徐々に色は濃くなります。
夏休みの自由研究は、市販のキットを買ってしまえば簡単ですが、完成度が高い作品のキットの中には数千円するものも多くあります。
紹介した手作り作品は、材料費が数百円で済むため、失敗を恐れずに何度でも挑戦することができるのではないでしょうか。(執筆者:式部 順子)