6月28日(木)午前10時より東京都渋谷区の本社ビルで開催された、学究社(9769)の株主総会に出席しました。

昨年までは東京都国立市の会場で行われていましたが、今年は場所を都内に移しての開催となります。
100人以上収容できる会議室には、40人ほどの株主が出席しており、前方には経営陣が着席されていましたが、株主総会というよりは、さながらセミナーといった雰囲気でした。
お土産はありません。
学究社は、東京都西部を中心に、都立中高一貫校入試に向けた学習塾「ena」等を運営しており、この分野での合格者占有率は高いシェアを誇っております。

事業報告は、すべて議長である会長兼社長の読み上げによるものです。
目次
事業報告
都立中高一貫校の合格者数については前年度比増、合格占有率も52%と半分以上を占め、受検(都立中は「受験」でなく「受検」だそう)対策校としてのブランドを確立。
ドミナント出校による校舎数の増加により、生徒数も堅調に推移した結果、売上高は前年度比3.8%増となりました。
費用面では、人件費や家賃の増加はみられたものの、全体としては増収増益となりました。
対応すべき課題として挙げられたのは次の通りです。
・従業員教育の強化を行い、高品質な授業内容を提供するよう努める
・今後は進学指導の強化にとどまらず、人が生きるための必要なサービスを提供する「人生支援産業」への展開を図っていく
ここまでで約15分ほどで終了し、続いて質疑応答に移りました。
質疑応答

いくつか質問があったうち、印象に残ったものをご紹介します。
まずは、
について。
回答は
しかしながら、私立高は授業料以外の費用が嵩む傾向があり、都立日比谷高をはじめとした都立有名高の勢いが増している現在では、そのマイナスは限定されると考える。
また、2020年に予定される大学入試改革では、我々にとってフォローの風といえる。
都立中の受検で行われる作文及び適性検査では、記述力が問われるため、現在行っている指導が今後の入試改革で問われる力の育成に合致している。
そういった意味では、先駆者の利益を得られるのでは。」
とのことでした。
そして、
という質問。
それに対し
人手不足のなか、今年は50人ほど新卒を採用できた。
講師総数300人ほどなので、新卒が大きなボリュームを占めている。
今後は働きやすい環境を作っていくつもり。」
とのことでした。
続いて
について。
回答は、
ということでした。
まとめ
他の質問を含め、回答はすべて議長によるものでした。
どの質問にも具体的な数値を交えつつ、明快に答えていただけるので、聞いていてモヤモヤすることが少なかったです。

株主総会の質疑応答では、「個人的な感想は差し控えたい」や「貴重なご意見として承ります」など、丁寧に接しつつもわざと要点を外したり、あいまいな回答しか出なかったりすることが少なくない印象のなか、こちらの議長さんには小気味良さを感じました。
なんでも明快にお答えになる分、ワンマンかも? という気もしますが、こちらの企業をはじめとした創業社長が、議長をされる場合は、そのお話しぶりを聞くことができることも株主総会の醍醐味といえましょう。
株主総会は、サクッと1時間弱で終了しました。
質疑応答にもありましたが、講師300人のうち50人の新卒採用ということは、職場の定着率がそれほど高くないのか? という印象です。
議長も「優秀な講師ありき」とおっしゃっていたとおり、今後はぜひ労働環境の向上にも力をいれ、企業の要でもある講師の質を維持していただきたいと思います。
学究社(9769)

・最低購入金額 18万6,500円(100株)
・PER 19.73 PBR 6.00
・権利確定月 3月末
・配当 60.00円/年
・配当利回り 3.22%
・株主優待 100株以上保有 クオカード 千円分
上記は、6/29(金)終値時点のYahoo!ファイナンスの株価より算出しております。
なお、株式購入の際は、最低購入金額の他に、証券会社の手数料が別途かかります。
株価その他の情報は変更される場合がありますので、ご自身でご確認の上、自己責任で投資いただきますようお願いいたします。(執筆者:吉井 裕子)