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トルコリラ急落から考える「大損する人に共通している心理」 大損しないための2つの「教訓」

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トルコリラ急落から考える「大損する人に共通している心理」 大損しないための2つの「教訓」

トルコとアメリカの関係の急激な悪化により、トルコリラが急落しました。

トルコリラ大暴落

多額の手持ち資金を投じて大損した人も少なくないようです。

投資で失敗して大損」はトルコリラだけではありません。

仮想通貨や他の投資でも見られます。

なぜ大損してしまうのでしょうか。

今回は、急落したトルコリラを通じて「大損しないための心理」について考えていきます。

大損するタイプに共通する心理「一発逆転を狙いたい」

一発逆転を狙うタイプ

大損するタイプにはある心理が共通して働いています。

それは「一発逆転を狙いたい」というもの。

この背景には、現状への強い不満や不安、根深い自己否定感があります。

分かりやすい特徴としては次のようなものが挙げられます。

・人と関わるのが怖い
(=否定されたり拒絶されたりすると深く傷つく、弱音を吐けない)

・今の貯金や収入が少ないのだが、その現実を受け入れられない

・バカにされていると常に感じる、周囲の人間を見返したい

・コツコツと地道な努力をするのがキライ
(=知識や経験を積む努力をしない、運に頼る)

・今すぐ安心感がほしい、今すぐラクになりたい

特に「現実を認めたくない」、「地道な努力がキライ」と「一発逆転を狙いたい」はリンクしています。

「現実を認めたくない」という傾向は、事実や現実を冷静に判断・評価できないという面としても現れます。

そのため、一発逆転を狙いたいタイプは、財産を失うリスクにまで配慮が及ばないまま、ハイリスク投資に全財産を投じやすいのです。

また「地道な努力がキライ」の根底には、「地道な努力はムダ」という思い込みがあります。

だからこそ、一発逆転をして今すぐ安心感やラクを望むのです。

そして、相場が思い通りにならない場合に、取り返しのつかない大損を被ることになってしまいます。

大損しやすい投資の特徴「見た目のエサがやたらとおいしそう」

見た目のエサがやたらとおいしそう

そして、大損しやすい人が好むハイリスク投資にも共通するポイントがあります。

それは「通常あり得ないようなエサをぶら下げている」点です。

たとえば、今回急落したトルコリラについては、金利が今年6月に8%から一気に17.75%に急上昇しました。

日本円の銀行預金でも0.1%、米ドルは2%。

基軸通貨に比して、きわめて利回りがよいと言えます。

また、一発逆転を狙いたい投資家に人気な仮想通貨として、登場して間もない「草コイン」と呼ばれるものがあります。

こちらも高配当を謳うものも少なくありません。

利回り100%というものもあるほどです。

両者に共通するのは「あり得ないほど大きいメリット」です。

冷静な思考を持った投資家なら敬遠するのですが、大損しやすいタイプは、「一発逆転ありき」なので、過度に大きなメリットに惹かれる傾向にあります。

結果、突然の暴落や破綻で大損を被ることになります。

大損しないための教訓(1) 売り手目線になる

では、大損しないためにはどうしたらいいのでしょうか。

まず大事なのは、「投資する側の目線」から「投資される側の目線」つまり「売り手目線」になることです。

熟練の投資家は、旨みが過度に大きい投資話が来た場合、まずこの視点を変える作業を行います。

視点を変える作業を行うことで、その投資の内容は妥当かどうかが判断できるのです。

視点を変える作業を行う

トルコリラを売る側になって考えてみましょう。

トルコリラを含めて新興国の通貨は、米ドルや日本円、ユーロほどの信用力を持ちません。

したがって、著名な通貨と同じ土俵で勝負したところで勝ち目がありません。

けれど資金は欲しいのです。

どうしたら投資を呼び込めるでしょうか。

ここで目玉となるのが「金利」です。

「どの国よりも高い金利を目玉に出せばとりあえず資金は調達できる。

アメリカと対立していても、経済はどうにか回るかもしれない。

そうしたら高くても金利は払える。

いざとなったら借金して金利を払えばいい。

とにかくお金を調達することが先だ。」

高い金利の裏側にはこのような思考が働いています。

トルコは対外債務がかなり高い国

実はトルコは対外債務がかなり高い国で、国も企業も借金漬けです。

アメリカや日本に比べれば債務額は低いのですが、信用力は落ちます。

だから、資金を調達するには金利を高くするしかないのです。

このように、高い金利や高配当の裏側には

「支払という義務はなんとでもなるから、まずは金がほしい」

という思考が働いていることが少なくありません。

売り手目線になると、こういった事情が見えてきます。

大損しないための教訓(2) コツコツ努力をする

コツコツ努力をする

損しないためには、地道な努力を積み重ねることがもっとも有効です。

・コツコツと投資のための種銭を働いて作る。

・コツコツと投資の勉強を行う。

・コツコツと損してもいい金額で投資の経験を積み重ねていく。

一発逆転を狙うタイプがもっとも嫌うことではありますが、地道な努力ほど自分と資産を守ってくれるものはありません。

地道な努力はお金だけでなく、生きていく上での自信や現実を見る目など、日本円や米ドルで測れない財産をも生み出してくれます。

また、妥当な金利や不当に高い金利なども、体感覚で理解できるようになる可能性があります。

現実の商売や投資のカラクリが、体感覚で分かるようになるからです。

地道な努力で培った感覚が、無謀な投資を遠ざけてくれます。

最後に

大損する投資家と売り手に共通するのは「目先の資金繰りをどうにかしたい」点です。

ある意味、両者は共依存関係にあると言えます。

共依存関係を投資家側から断ち切るには「自立すること」が欠かせません。

目の前のある自分の現実から逃げず、冷静な思考を取り戻すこと、地道な努力をしてみることをやってみてください。(執筆者: 鈴木 まゆ子)

《鈴木 まゆ子》
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鈴木 まゆ子

鈴木 まゆ子

税理士・税務ライター 中央大学法学部法律学科卒業後、㈱ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。朝日新聞『相続会議』、納税通信、KaikeiZineなどメディアで税務・会計・お金に関する記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著) 寄稿者にメッセージを送る

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