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ホームレス多いイギリス
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イギリスでは日本よりもかなり頻繁にホームレスを見かけることになります。
高齢の方だけでなく、まだ20代、30代の若い男女が路上で生活している姿に驚く日本人も多いです。
イギリスではドラッグやアルコール、精神的な側面からホームレスになってしまう人が多いのが現状です。
今回はそんなホームレスの生活に少し介入していきたいと思います。
マンチェスターシティ内でも顔の広いデイビッド
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見た目とは裏腹に、とても社交的で初めて会ったのにも関わらず、まるで友達のように話してくれる彼のキャラクターに、とても興味を惹かれました。
インタビューアー:こんにちは、今日は良い天気ですね。
デイビッド:ねー。天気は良くていいねー。あんたここに住んでるの? ホームレス?
インタビューアー:いつもは少しシティから離れたところに住んでます。
デイビッド:シェイシェイ(シェイシェイは中国語でありがとうの意味)
インタビューアー:私日本人ですよ!(笑)
デイビッド:(日本語で)ありがとう! こんにちは! 私はるろうに!
インタビューアー:日本語話せるんですね。
デイビッド:(日本語で)私の名前はデイビッド。るろうにです。
インタビューアー:日本語すごいですね~。いつからこの道に住んでいるのですか?
デイビッド:昔は結婚して子どももいたんだけど、色々とゴタゴタしてからここに住むようになった。
インタビューアー:今もお子さんに会うことがありますか?
デイビッド:子どもや元の奥さんは今はどこに住んでるか分からない。
自分がここに住むようになってから、連絡がとれなくなってしまった。
インタビューアー:そうなんですね。お仕事はしていますか?
デイビッド:仕事はできない。ごにょごにょ・・・
インタビューアー:なんで仕事ができないのですか?
デイビッド:おれはるろうに。仕事は向いていない。
でもこの道には友達がいて、支えてくれる人もいる。
ここにずっと住んでいるから、ここのことはよくわかる。
週末は音楽が流れて、好きな音楽と暮らせていいことだ。「るろうに」でいい。それにおれがここにいれば皆を助けることが出来る。
人生はお金が全てではない。助けが必要な人もいて、ここにいることで世界を救うことが出来る。私はるろうに。ありがとう。
インタビューアー:・・・そうなのですね。世界を救うとは大きなビジョンですね。
デイビッド:そうさ俺は酔拳も出来る! 見ててみな!(立ち上がって酔拳を披露してくれました。)
インタビューアー:・・・すごいですね! どこかで習っていたのですか?
デイビッド:俺には才能があるから気付いたらできるようになっていたよ。
インタビューアー:そうなのですね。髭や髪はどこで整えているのですか?
デイビッド:トイレさ! カミソリくらい買えるし、公共のトイレで俺だって髭くらい整えるよ。
インタビューアー:収入はどこから入ってくるのですか?
デイビッド:俺は働いている! 音楽でお金をもらうのさ。
インタビューアー:働いているのですか? どこで働いているのですか?
デイビッド:あっちだよ。(指さした先は道の先で具体的な答えは見つからず。)
インタビューアー:・・・そうなのですね。誰かに雇われているのですか?
デイビッド:俺は何でも1人でやるの。
インタビューアー:日本語上手ですね。今日はありがとうございました!
デイビッド:(日本語で)ありがとう。またね。
どんな生活を送るかは人それぞれ
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イギリスのホームレスはフレンドリーで道行く人にも気軽に声をかけてくれます。
好きでホームレスになった人もいれば、環境に流されてホームレスになってしまった人などさまざまです。
今回お会いしたデイビッドはウィスキーの大瓶を抱えて歩いていました。
デイビッドはお酒を飲みながら話していたので、話の内容が食い違うことや、要点が抑えられていない回答も多かったですが、それでも今回のインタビュ―で彼の人柄や思いの端を少し感じ取ることが出来たように思います。
仕事や収入に関しては、デイビッドのプライドやキャラクターからはっきりとした回答は得られませんでした。
このインタビューの後、デイビッドはボランティアで来た人達から食事をもらっている様子も見受けられました。
そのもらった食事を私にも半分分けてくれようとするデイビッドの姿勢には、有難さと疑問を抱いたのは事実です。
周囲から食事や衛生面も含めて金銭的にだけでなく、精神的にも援助を受けているはずのデイビッドが、心の底では「人を助ける」という意識をもってホームレスをしていることには驚かされました。
人の役に立ちたいと思う気持ちはどれだけ助けられる能力を持っているかに比例しないところは、イギリスならではの考え方だと思います。
実際にイギリスのホームレスは、路上で道行く人からお金乞ってその収入を生活にあてている人も多いです。
もう1点私がイギリスに来て驚いたことは、皆がホームレスにお金を渡す姿勢です。
日本でホームレスがお金を乞うことがあれば、「働かないのが悪い」と判断してお金を渡す人は少ないでしょう。
しかしイギリスでは、ホームレスがお金の使い方を食費にあてるかお酒に使うかが問題ではなく、困っているから助けるという姿勢があります。
お金の価値観は人それぞれ、何を大切にして生きていくかはその人の価値観によって変わってきますね。(執筆者:森 亜美)