先週は、前週の上昇の勢いをもって始まるも、年初来高値を手前に、もみ合い抜けるのか? 抜けないのか? の見極めとなりました。
結果的には、週末の金曜日に時間帯では抜けたものの、終値ベースでは抜け切れていないという形となりました。
非常に見極めづらい形状での週末となっています。
基本的には時間帯だけでも上抜けたことは事実であるので、上抜けるかもというスタンスをとるべきですが、全力で上抜けとした建玉にするには、時期早々であるため、週末の段階では売り玉の縮小レベルにとどめて、買い玉の乗せは控えました。
週明け早々に答えが出ればよいのですが、なかなか明確な上抜けと簡単に見れるか? は、かなり難易度は高いと考えます。
上記にも記載していますが、年初来高値更新したことは事実として受け止めて、対処はすべきと考えます。
その上で今回の年初来高値の更新の要因は円安によるものと考えます。
この円安が、どこまで進むのか?このまま例年の年末は円安というセオリーへの動きが継続するのか?
この円安により9月に締める半期の決算内容は期待が膨らみ、年度末への増収増益も見込めます。
そうなると今年に続いて過去最高益という見出しが新聞紙面を躍るという想定が膨らみ、年末年始への上昇というシナリオが見えてきますが、どうなるでしょうか?
そしてこの9月の決算発表(10月後半)に対して、関西地区直撃の台風による被害と、北海道の直下型地震による経済的被害がどの程度となり市場への影響を出すのか? も見極めとなります。
したがって国内の情勢は、良い方向への意識は強いと考えるものの不安材料は残ります。
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海外に目を向けるとトランプ問題は、マーケットはすでに織り込んでおり、相当な特別なネタが出てこない限り市場の反応は薄くなっています。
逆に北朝鮮との問題解決への期待が出てきてるのではと考えます。
したがって全体的なファンダメンタルに関しては、下げ要素が弱くなっていると考えます。
ただ、この週末にブレクジットに関してのことが話題となっています。
この辺りをマーケットがどのように反応するかは想像の範囲を超えてくるので、警戒だけはしておくべきと考えます。
そして週明け 新内閣が発足してきます。何かしらのサプライズがあるのか?
内容によっては相場を押し上げる要因になり、昨年の秋ほどの上げは期待できないですが、同じように年末に向けての本格上昇にきっかけになるかもしれませんのでこの辺りも注目です。
テクニカル的には、前週末の出来高の誇張や日柄などで、今週前半から押す可能性も視野に入れましたが、今のところ心配しすぎだったという結果となっています。
ただ、今回の年初来高値更新の仕方に勢いがないことで足踏み、またはいったん調整の可能性はぬぐえないのも一つの現実です。
週明けに関しても、小幅安での寄り付きが想定されます。やはり週明けも窓空けなどで上抜けとはならないことが想定されるので悩ましい限りです。
日柄では、今回の反発がこの週末で14営業目となっており、前回の上昇と同じ日柄で対等数値となっています。
気にしすぎだとは思いますが、細かいところにどれだけ気をつかえるかも大事なことと考えます。
目次
現状分析
5日線
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上向きを維持したままの一週間となっています。角度は急となっており強さをイメージさせる形状です。
位置としては、週初めに上に乖離していたもののいったん乖離を詰めてタッチして、終値で一日割り込みその後、再度 上へ乖離して週末入りとなりました。
いい形で利確をこなしながらの上値追いの動きとなっているように見受けられます。
25日線
角度を強くしながら上向きを維持しています。
位置も上への乖離を維持したままの一週間で、この週末の高値も5.1%の乖離となっており、前週末の乖離とほぼ横ばいでの推移で、完全な加熱にはなり切らず、いい流れでの上昇をしているように見受けられます。
75日線
先週同様に上向きで、位置も上への乖離を維持した一週間となっています。
そして今週 75日線と100日線の位置が入れ替わり、上からローソク足 5日線 25日線 75日線 100日線 200日線という並びとなり、すべての移動平均線が上向きという完全上昇トレンドを示す形状となりました。
この上昇のピークを示す形がいつまで継続するのか? 注目です。
週明けの寄り付きが下の時は、押しに対する警戒が必要になると考えます。
トレンドライン
上に引けるラインは無く、1月の高値の横軸を終値ベースで上抜けるかに注目です。
下に位置するサポートラインとしては、まずは、9月7日と27日の安値を結んだラインが目先のサポートラインで、その下に9月18日から19日にかけて空けた窓となり、その下が25日線で、25日線と同じあたりに前回高値の2万3000円どころの横軸となります。
その下には各種移動平均線があり、今の上昇のボーダーラインとして、3月の安値7月の安値9月の安値を結んだ切上がりのラインと考えます。
テクニカル指標
一目均衡表
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完全上昇トレンドを示す状態にあり、未来予測としては、遅行線と日比線の天底一致が12営業日後となります。
ボリンジャーバンド
前週からバンドウォークが始まり継続中です。
+1σ近づいたら買い場 割り込んだら売り場と考え建玉の参考にしたい状況です。
さらには-3σが本格的に上向きとなると下げに関しても安心感が増してくると考えます。
スローストキャスト
2本のラインが買われすぎゾーンで横にスライドした後、デットクロスして下げ始めました。
この後50%より上でゴールデンクロスとなってくれれば、更なる上値追いへの期待が膨らみますので、しっかり見極めていきましょう。
総合判断
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非常に強い状況を形成しています。さらなる上値追いが想定されますが、足踏み調整というシナリオも頭の片隅には入れておきましょう。
そして上抜けて高値更新して勢いをつけ始めたら、売り玉のロスカットに関しては素直に現状を受け入れましょう。
さらには、どこまで上げていくのかなどの計算は事前にして、値幅的な予測 日柄的な予測を立て待つ姿勢を持つことが望ましくなります。
決して追いかけて相場と向き合わないテクニックを身に着けてください。
非常に先が楽しみな形状となっていますが、油断しないでしっかり細かいところに目を配って見極めてまいりましょう。(執筆者:城 晶子)