失業率の高いイギリスでは、長年勤めていた会社から突然の解雇を言い渡されることもしばしば。

想定外の状況でも慌てないように、今回はイギリスの失業保険と申請方法について紹介したいと思います。
目次
イギリスの失業率

イギリスの失業率は2018年度の調査で約4パーセントと年々改善傾向を示しています。
しかし日本の失業率の約2.4パーセントと比較すると、まだまだイギリスの失業率は高く、突然解雇を言い渡されることも少なくありません。
仕事の多い首都ロンドン中心部では転職までの流れも比較的スムーズですが、イギリスの第二、第三都市に住むと仕事の量も限られており思うように転職活動が進まないこともあります。
仕事が見つからないままの生活が続くと、家賃や生活費が家系を圧迫してしまい、金銭的な不安に陥ります。
しかしそんな辛い状況を援助してくれる低所得者に向けた保険制度が存在します。
イギリスの失業保険制度
イギリスの低所得者向けの給付制度はUniversal Credit(ユニバーサルクレジット)と呼ばれています。
ユニバーサルクレジットには失業保険だけでなく、家賃や教育費、生活補助手当なども含まれています。
支給される金額は個人の状態に応じて変化するのですが、もらえる人は月1,000ポンド(約15万円)程度もらえている様子。
ユニバーサルクレジットを利用するには、細かなチェックを受ける必要があり
・イギリスに在住してること。
・貯金が一定額以上ないこと。
・周囲に生活を援助してくれる人がいないこと。
・仕事を探す気持ちがあるかどうか。
などが審査の基準となります。
ユニバーサルクレジットの申請方法
ユニバーサルクレジットを申請するためには、まずウェブ上で自分のアカウントを作成する必要があります。
氏名や誕生日、Eメールアドレスなどの基本的な情報だけでなく、銀行のアカウントや貯金額、自宅に現金で持っている金額なども聞かれます。
また、周囲の援助者の個人情報や貯金額、仕事の内容や収入なども詳しく記載する必要があります。
一通りの入力が完了したら、次はJob Center(ジョブセンター)に面接の予約をとります。

ジョブセンターはいわゆる日本のハローワークにあたる場所になります。
面接では、ウェブで記入した内容を再度確認し、間違いがないかどうかのサインをします。
ユニバーサルクレジットの給付期間
ユニバーサルクレジットは給付される期間は、給付開始から1年間が基本となっています。
また、給付期間中は仕事を探しているという意志表示のために、ジョブセンターに1週間に1度ずつ通う必要があります。

給付期間中にパートナーが出来たり、仕事が見つかったりと状況が変化した場合はすぐに知らせる必要があり、条件に違反すると減額や給付の停止などの罰則がかせられます。
日本人がイギリスの給付手当を理解するのはなかなか難しいですが、急に仕事を失ってしまったり、病気やケガで手助けが必要な場合は上手く給付手当を利用したいですね。
ジョブセンターでは新しい仕事の斡旋もしてくれるので、イギリスでは自分から手助けを求めに行くことも大切なのです。(執筆者:森 亜美)