気が付くと、「着ない服でタンスやクローゼットがぎゅうぎゅう」ということはありませんか。
たくさん持っていても意外と着る服がないなんてこと、ありますよね。
どんな服を選べば、タンスのこやしを作らず一軍しか入っていないクローゼットになるのでしょうか。
2人のファッションの賢人の著書から学んでみたいと思います。
ヒントは「普通の服を買うこと」と「長く愛用できる一品との出会い」です。
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目次
パーソナルスタイリングのプロが説く「とにかく普通の服を買う」
1人目は山本あきこさんです。
山本さんは雑誌などでのスタイリングの傍ら、一般人に向けてショッピングに同行して服をアドバイスする「パーソナルスタイリスト」としても活躍されています。
山本さんの著書の冒頭にこんな一文があります。
「センスのいいコーディネートにとって一番必要なのは、本当は「センス」ではなく、まずアイテムです。
アイテム選びで大事なポイントは、シンプルでプレーンなものを選ぶということ。つまり「普通の服」です。
「普通の服」同士だとコーディネートでケンカすることもありません。どれを持ってきても合わせやすいのです。」毎朝服にまよわない ダイヤモンド社 より
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著書「毎朝服にまよわない」では、持つべき「普通の服」として21アイテムが紹介されています。
そしてこれらのアイテムに小物をプラスして、92パターンのコーディネートがつくられています。
また続編として冬服のコーディネートをテーマにした著書「あたたかいのにおしゃれになる」(ダイヤモンド社)も非常に参考になります。
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「普通の服」ってどんな服?
さて「普通の服」とはどんな特徴をもっているのでしょうか。
例えば山本さんの著書「あたたかいのにおしゃれになる」では、定番アイテムとなったデニムシャツの選び方について、以下のようなポイントを挙げています。
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2. ジャストサイズのもの
3. ステッチやウエスタン風のデザインが入っていないもの
筆者は特に3が意外でした。
ついつい何かポイントが入っていたりひと工夫されているものがおしゃれだと思いがちだからです。
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また、多くの人が1着は持っているパーカーの選び方についても、なるほどと思う点がありました。
2. フードが小さく、立体感のあるもの
3. コンパクトなサイズ感のもの
4. 使われている金具がゴールドのもの
ポイント2と3が特に重要なのではないでしょうか。
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たしかにブカブカの大きなパーカーでは、「ストリートの若者風」ですよね。
それだけパーカーはもともとカジュアルなアイテムなので、おしゃれに着るには大人っぽさを相当意識する必要がありそうです。
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山本さんの著書は、まさに明日から使えるファッションの実用書です。
アイテムの選び方だけでなく、流行に左右されないベーシックアイテムの組み合わせで、おしゃれに見せるための法則がふんだんに紹介されています。
これから冬物の衣替えをする際に
「捨てるもの」
「買い足すもの」
を判断する大きな助けとなりそうです。
トラディショナルから学ぶ ものの選び方
2人目は松浦弥太郎さんです。
松浦さんは書店経営や暮らしにまつわる執筆・編集などを手掛けている方で、2006年から2015年まで「暮しの手帖」の編集長をされていました。
著書「いつもの毎日。衣食住と仕事」では、もの選びのヒントとして「トラディショナルから学ぶこと」を挙げています。
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たとえば、トラディショナルな服。スタンダードなデザインはずっと変わらないのに、長年にわたって求める人たちがいます。
「奇をてらったデザインでもなく、むしろ非常にシンプルなのに、心をひきつける魅力があるのはどうしてなのか?」
「50年、100年と同じスタイルを貫き、その姿勢が支持されるのは、いったいなぜなのか?」
トラディショナルな品を眺めながら考えていると、それが自分の仕事につながり、ひいては「ライフスタイルを豊かにするちょっとしたヒント」に結びつくように感じるのです。
だから、僕が選ぶのは、いつだってなんの特徴もないようなトラディショナルな服。飾り気がなく、ごくスタンダードなものばかりです。≫いつもの毎日。衣食住と仕事 KKベストセラーズより
松浦さんの著書「いつもの毎日。衣食住と仕事」では、長年に渡って愛用しているブルックス・ブラザーズのシャツ、イギリスの郊外ノース・ノーフォークにある小さな店「オールドタウン」で作られているジャケット、ハンドメイドの靴、アイリッシュリネンのハンカチなどを、その具体的な長所を挙げて紹介しています。
別の著書「日々の100(青山出版社)」ではさらに具体的に、愛用の品をその作り手や売り手との物語を交えて紹介しています。
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こちらの2冊を読むと、「品質を追求し、そして守り続ける」という「ものづくりの本質」が垣間見える品を愛用することの大切さが説かれています。
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松浦さんの着る洋服の特徴を挙げるとするならば、
・ 印象に残ることもないけれど
・ とても上質で
・ ずっと愛用したいと願うほど惚れ込むことができて
・ 着ている人をリラックスさせてくれて
・ 周りにいる人にも気を遣わせない
という服なのだと筆者は著書を読んで感じました。
この条件を満たすとなると、かなり考えて買い物をすることになりますね。
さて、読後の筆者のタンスは一軍だけになったのか?
山本さんと松浦さんの著書を読み終えた筆者は、さっそく秋服の衣替えをしました。
著書を参考に残した服は、あまり流行のないプレーンなものです。
無地が多く、柄もチェック、花柄、ボーダーという定番のもの、形もあまりデザインの凝っていないものを残しました。
ブランドでは、ユニクロ、GU、GAP、無印良品が多かったです。
もともと持っていた服の半数を処分したのでタンスもクローゼットも見通しがよくなりました。
残った品々はくせが無いので、毎日組み合わせを自由に楽しめています。
今はプチプラブランド中心ですが、もう少し年を重ねたら、子供にお金がかからなくなったら、松浦さんのような一生ものとの出会いを探求してみたいなと思います。
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自分に何が必要なのかを見極める目を養って、もう無駄なものに囲まれず、お気に入りのものと一緒に快適に暮らしていけたら良いですね。(執筆者:石田 彩子)
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