2014年に「NISA口座」を開設し、残高のある方は大事な作業があります。
2014年に開設した口座は2018年末で非課税期間が終了するため、2019年の「NISA口座」をどうするかの意思決定と手続きが必要です。
選択肢は次の3つです。
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こうしてみると手続き自体は簡単そうに思えますが、私の場合はどうしたらよいの?
と、迷われるケースがあります。
個々の事情によってどの方法を選べば良いのかを見てみます。
目次
2019年NISA口座への移管
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Q. 2014年開設時と、現在利用のNISA口座の金融機関が異なります。
A. ロールオーバー(移管・預け替え)ができません。
2014年のNISA分を売却するか、現在利用している金融機関のNISA口座を廃止して元の金融機関に再度NISA口座を開設したのちでなければ移管できません。
Q. 2014年分のNISA残高が150万円です。ロールオーバーをすると、新たなNISA枠は使えない?
A. 2014年以降積立等でNISAを利用している人にとっては悩ましいのがこのケースです。
150万円と残高の多い2014年の方をNISA口座に移管し、新たな買い付けは「特定口座」でするのが良いかもいれません。
現在の積立が2014年の銘柄とは別なもので今後も積立てを継続したいのであれば、2014年の銘柄は課税口座に移してもよいでしょう。
このときは、150万円より増えた分が課税対象です。
Q. 2014年に100万円で買ったものが、現在70万円です。
A. 「特定口座」に移管すると、70万円が投資元本となるため、これより増えた分に課税されます。
ロールオーバーでは、120万円の上限枠に対し残り50万円が新たな利用枠です。
Q. 複数の銘柄のうち「NISA口座」と、「特定口座」に分けて預けることはできますか。
A. 銘柄ごとに「NISA口座」と、「特定口座」に振り分けることはできます。
ひとつの銘柄を金額で分けることはできません。
Q. 今年から「つみたてNISA」に変更しました。
A. 2014年分の残高をロールオーバーするためには、「つみたてNISA」を「一般NISA」に変更手続きが必要です。
例え、残高が40万円以内でも「一般NISA」から「つみたてNISA」にロールオーバーできないので厄介です。
今後とも「つみたてNISA」を利用したいのであれば、いったん売却して「つみたてNISA」に移すのも手です。
Q. 2014年に「NISA口座」を開設しましたが使っていません。これからも使えますか。
A. 「NISA口座」自体は一旦開設すると廃止届をしない限り、開設した金融機関に残ります。
2019年からでも使えますが、マイナンバーの届け出がないと利用できません。
金融機関を変更したいのであれば、金融機関変更の手続きが必要です。
ロールオーバーをするかしないかは、
・ その後の価格変動
・ 個々人の運用方針
によっても異なるため一概には言えませんので、該当する方は十分ご留意、検討ください。
課税(特定・一般)口座へ預け替え
課税(特定・一般)口座へ預け替える場合は、特別手続きの必要ありません。
だからこそもっとも注意が必要です。
手続きをしないでいると自動的に2019年の「NISA口座」に移るわけではありません。
何もしないでいると、2014年のNISA残高は2018年末日の残高で全て「課税口座」に移されます。
2019年のNISA枠があるので、NISA口座のままと思っていたらいつの間にか「特定口座」になってしまったと、悔やまないように重々気をつけてください。
「特定口座」に移ってしまうと「NISA口座」にするときは売却して預け替えするしかありません。
売却
「NISA口座」に預けたものは、5年間拘束されるものでなく、いつでも売却可能なので、
躊躇することはありません。
例え「特定口座」に移ったとしても、2014年から5年分の収益に課税はありません。
売却後の預け先、用途を慎重に検討すべきことは言うまでもありません。
重要:ロールオーバーには期限があります
NISAのロールオーバーは今年が初めてのためか、各社ともスケジュールがとてもタイトです。
ロールオーバー手続き書類の締め切りは、早い会社では12月3日や8日必着です。
手続き書類の発送がこれからの会社もあるくらいです。
と、ならないよう十分気をつけてください。
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特にネット経由でNISA口座を開設した場合、ネット上から移管手続き書類の請求をしないといつまで待っても届かないかもしれません。
2019年のNISA口座に移管を希望するのであれば、「非課税口座内上場株式等移管依頼書」を締め切りに間に合うよう提出ください。(執筆者:平賀 初恵)