イギリスではトラブルに巻き込まれたときなど、ここはおかしいと思うことはしっかりと自信を持って主張しないとまともに取り合ってくれない傾向があります。
例えばバイト代が平等に払われなかったり、家賃を高めに設定されてしまったり、郵送ミスなどのトラブルでもうやむやにして流されてしまう傾向があります。
今回は私がイギリスに住んでいて感じた文化の違いに焦点を当ててみたいと思います。

目次
1. 人によってバイト代が違う時も 雇用側も主張が大切
日本では決められた時給で働くのが一般的で、働く側が給料交渉などに踏みでるケースは少ないですが、イギリスでは低すぎる給料で働かされている場合ボイコットなどの反対運動を起こすケースが少なくありません。
ボイコットのため電車が止まってしまうということも少なくないのです。
イギリスで働くにあたって仕事に対して給料があまりにも少ないと感じた場合は、まずその意志を上司に伝えることから始めましょう。
日本よりも実力主義傾向があるので、能力が伴っていれば給料交渉にも応じてくれるケースが多いです。
2. 日本人向けの家賃は高い
イギリスには日本人向けに日本人が管理しているシェアハウスがいくつかあります。
日本から離れた土地で、日本人を見ると無性に仲間意識を持ってしまうのが移民の性とも言えます。
その気持ちを逆手にとって、イギリスの土地に慣れた日本人オーナーが高めの家賃を設定して日本人を住まわせているケースが少なくありません。
家賃は1か月100ポンド(日本円にして1万4,324円・2018年10月28日のレート)違うだけでも1年で計算するとかなり大きな違いになってきます。
家賃が高い上に、日本人ならしっかりしているだろう、少しトラブルがあっても文句は言わないだろうという予測の元に招き入れられているので、トラブルがあってもしっかりとした対応をしてくれないオーナーもいます。
この事実を悲観的にとらえるのではなく、トラブルが生じたらしっかりとオーナーに伝えることが大切です。
また家賃の交渉に応じてくれるオーナーも多いので、周辺の賃貸と比較して平均的な家賃くらいまで下げられないか交渉してみる価値はあります。
3. そんなのあり?! 郵送物が行方不明に

イギリスの郵送システムは信頼性が低く、商品を送っても届かないということが珍しくありません。
せっかくお金を払って購入した商品なのに、郵送側のミスで届かないままにしてしまうと損してしまいます。
日本の冷パックや日時指定サービスのようなきめ細かなサービスはなく、郵便局の人はとにかく仕事をこなすことが最優先です。
そのため届け先に人がいないと、近隣住民がだれであれ渡してしまうことがあります。
自宅には届いていないけど、郵便局からは「ちゃんと受取人のサインも確認できます。」と言われてしまったり。
誰かが受け取ってサインしてしまえば基本的には郵便局は責任をとってくれません。
さらに近隣住民が受け取った商品を自分のものでなくてもそのまま使ってしまうということも少なくありません。
イギリスではこの手のことが日常茶飯事なので、しっかりとクレームを主張すれば郵送元がもう1度商品を送ってくれるという対応も珍しくありません。
せっかく支払ったのに損しないためにも、郵便局が対応してくれなくて、届かなかった事実で諦めずに郵送元にも相談してみましょう。
イギリスに住む上での心構え
日本とイギリスでは言葉も違えば文化にも違いがあります。
イギリス人の表面的な優しさやシャイな性格は日本人と似ているところもありますが、やはり自己主張することの大切さや自分の意見に自信をもつことの大切さはイギリスの方が重要視されている傾向があります。
自分が何かおかしいと思ったら、自分の意見はしっかりと主張することが大切なのです。
相手に伝えることを諦めなければ相手も真剣に向き合ってくれるので、納得のいかないことがあれば適当にかわされてしまった、流されてしまったと思うのではなく、しっかりと相手に伝わるまで伝える努力をすることが大切です。
日本人は何も言わなくても相手が雰囲気を汲み取って理解してくれるのを待つことが多いですが、イギリスではそういう訳にはいきません。
主張する能力が弱いとお金が関わってくるトラブルも少なくないのです。
もちろん喧嘩腰になるのではなく、フォーマルに自分の意志を伝えることが大切ですが、伝わらないと思うことがあれば、伝えるまでしっかりと伝えることがイギリスでは普通のことなのです。(執筆者:森 亜美)