イギリスの紙幣は2016年から徐々にプラスチック製へと移行していて、現在ではほとんどの紙幣が新しくなっています。
新しい紙幣には「ポリマー」が使われています。
これは、紙ではなく合成樹脂(プラスチック)からできていているそうです。
今回はそんなイギリスの新しい紙幣を紹介したいと思います。

目次
イギリスの紙幣がプラスチック製に変わった理由
イギリスも2016年までは日本と同じように紙でできた紙幣が使われていました。
しかし紙幣の耐久性の問題、セキュリティの問題から2016年にはプラスチック製の紙幣が導入され、導入とともにみるみる紙の紙幣はなくなっていきました。
導入からわずか数か月で一般のお店では使えなくなるというルールがあったからです。
旧紙幣もイングランド銀行まで持っていくか、または郵送すれば新紙幣との交換が可能ですが、それもなかなか手間ですよね。
そういった理由で新しく普及したプラスチック製の紙幣はわずか数か月でイギリス全土に普及したのです。
【旧紙幣】

【新紙幣】

プラスチック紙幣のメリット
プラスチックでできた紙幣は水に強く、濡れたところでへっちゃらです。
イギリスではお札をメモ代わりにしてしまう人も少なくないですが、プラスチック製になってからは書けません。
折り曲げても曲げた後がつかず、指で破こうとしてもプラスチックが少し伸びるくらいで、簡単には破れません。
この耐久性により、従来の紙の紙幣よりも紙幣の寿命が2.5倍長くなったと言われています。
紙幣の寿命が長くなればもちろん、紙の資源を守ることにもつながります。
実際に濡らしてみました





この通り、全然問題ありません。
偽造しにくいイギリスの新紙幣
イギリスの新しい紙幣には偽造に対するさまざまな工夫がされています。
例えば10ポンドを見てみましょう。

・ ウィンチェスター大聖堂の透かし部分には、表からはゴールド、裏からはシルバーに見える工夫がされています。
・ 羽ペン部分にもオレンジから紫へとグラデーションがかけられています。
・ 文字のホログラムにはTenかPoundが見えるように工夫がされていて、拡大鏡を使用しないと見えない極小の文字も刻まれています。
・ Bank of Englandの文字はわずかに文字が盛り上がる工夫がされています。
これらの最新の技術は紙幣の偽造予防に役立つと考えられています。
進化する紙幣
私がイギリスに来てからみるみる変わっていったイギリスの紙幣。
以前の紙でできた紙幣も触り心地などの点から愛着があり、旧紙幣の方がよかったという友人も少なくありません。
しかし新しい技術で犯罪の予防やエコにつながるのであれば、混乱を招きながらも変わっていく新しい紙幣に価値がありそうですね。(執筆者:森 亜美)