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遺産分割の難しさ
相続人が多い場合はグループ分けをする
遺産分割の相談を故人の相続人Aさんからいただきました。
Aさんの話では故人の所有していたアパート1棟を他の相続人たちとどう分けるかといった相談内容でした。
主張も、Aさんのグループ(3名)とBさんのグループ(3名)に分けることができ、何とか調整もついたので早速分割協議書を作成し、BグループからAグループへと各々に署名をお願いし、書類を回すことにしました。

その後の調査で生後間もなく養子に出されたCさんの存在が発覚
遺産分割協議をする場合、まずは相続人の確定が必要です。
故人の出生から亡くなられるまでの戸籍を取り寄せたところ、相続人にCさんがいることが判明しました。
Cさんは生後間もなく他家に養子に出されている事情がありましたが、相続人の地位は変わりません。
当然ながら、Cさんの合意も必要です
Cさんには預金で法定相続分を相続することでA・Bグループより承諾をいただきました。
そのため、Cさん自身には事前に遺産分割で協力をお願いしたい旨お手紙を出しただけでした。
AグループとBグループより署名をいただいた分割協議書を早速Cさんに郵送したところ、Cさんよりお電話をいただきました。
「何もいらない」と、強く主張されたCさん
他の相続人たちの了承もすでに取れていることを伝えましたが、Cさんは
と言います。
当方は、正直な話、他の相続人たちの署名も既にいただいている手前、再度、分割協議書を再作成することにガックリしてしまい、何とかならないかと会ってお話をすることになりました。
いまさら実の親からとはいえ相続でお金をいただく気持ちになれない」
と再度言われます。
おそらく、Cさんの矜持(プライド)だったと感じます。
当方の勘違い

相続財産を多くいただきたい人はあっても、いらない希望を出される方を想像できませんでした。
相続での遺産分割はいろんな事情の結果となるため、どれが正解とはなりません。
を身に染みて勉強しました。
推定で遺産分割を決めてしまわないで、全員のお気持ちを個々に確認することが、遺産分割協議手続きのポイントです。
遺産分割は多数決ではなく、全員の合意で行うものである事を再確認したいだいです。(執筆者:橋本 玄也)