不動産投資の活用法の1つとして、駐車場経営があります。
また駐車場経営といっても月極駐車場と時間制駐車場、つまりコインパーキングという2つの賃貸方式があります。
その2つを比較して、どちらの方が収益性が高く、どのような特徴を持っているのかを見てみましょう。
目次
月極駐車場経営は収益の上限が低い

まず収益性だけで見れば、月極駐車場は毎月一定の金額で貸し出し、上限がなく自由に使える契約なので、収入に限界があります。
例えば月極駐車場を、毎月3万円の賃料で貸したとしましょう。
コインパーキングが1時間200円。
日中は8時から20時の間の12時間で7割稼動したとすると、1日の収入は1,400円。
1か月で4万2,000円です。
さらに夜間の収入を考えれば、1か月で5万円程度の収入になります。
毎月3万円の月極駐車場のエリアでは、1時間あたり300円で貸すこともできるので、1か月の収益が7~8万円になることもあります。
これらの条件で比較してみると、
と言えるでしょう。
コインパーキングはある程度の初期投資が必要

一方コインパーキングは、初期投資がある程度必要というデメリットがあります。
月極駐車場は極端な話、更地さえあればすぐに貸し出すことができます。
置き石を設置して、ロープなどでそれぞれの駐車スペースを区切るだけであり、ほんのわずかな金額の初期投資でも駐車場を運営できます。
コインパーキングの場合、敷地をアスファルトで舗装し、料金カウントのための機材を設置する必要があります。
導入費としては、数十万~数百万円単位になることもあります。
本当に手軽に駐車場経営を始めたいのであれば、月極駐車場の方が向いていると言えます。
ただし、月極駐車場の収益性を高めるために機械式駐車場や立体駐車場などにすると、初期投資の額がぐんと増えます。
リスク面で考えると、コインパーキングが有利だが、立地は限られる
運営リスクで考えると、コインパーキングの方がかなり有利だと考えられます。
月極駐車場は場所占領リスクが高いのです。
仮に不法駐車している車があった場合、コインパーキングの場合は誰かに固定契約者がいるわけではないので、クレームは発生しません。
オーナーの収益が下がるだけです。
しかし、月極駐車場の場合はその場所の本来の賃借人がいるため、クレームが発生します。
管理者は迅速な対応が求められます。
また月極駐車場で賃料の滞納が起これば、収益性が大幅に下落しますが、コインパーキングは1日の駐車場代など短期の収入減なので、そう大きく収益性が上がるわけではありません。
コインパーキングの需要があるのはほぼ駅近の場所だけです。
駐車場はある程度駅から離れた住宅街の中でも需要がありますが、コインパーキングではそのような場所で安定した収入を見込むことは難しいです。
結局のところ、立地に合わせて月極駐車場か、コインパーキングを選択していくことになるでしょう。(執筆者:長嶋 茂)