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思いを込めて行う寄付や募金
しかしその気持ちを利用して人を騙す詐欺などの犯罪も後を絶ちません。
国内での自然災害が次々と起きるなか、「助け合い」の気持ちがこの社会からなくなってしまうことだけは避けたいです。
そのためには詐欺などに遭わないよう、自分も気を付けることが必要です。
今回は怪しい寄付や募金の見分け方についてご紹介していきます。
日本ユニセフ協会がHPに載せている注意喚起

日本ユニセフ協会のHPには「ユニセフと関係があるように装う勧誘・募金活動にご注意下さい」という項目があり、
・ユニセフと関係があるように装うTwitter
・「ユニセフ募金になります」とうたい、URLへのクリックを促す迷惑メール
・街頭でのユニセフ募金活動、戸別訪問
・ユニセフの関係者を名乗り、「あなたに現金を支援する」などと申し出る不審な勧誘
・不正に日本ユニセフ協会へ寄付するなどとうたう迷惑メール
・実態の確認できない企業からのユニセフとの関連を装う不審な勧誘
などといった注意事項が詳細に記載されています。
日本ユニセフ協会では
「クリックで命を救う」
などとうたうものや、戸別訪問などは行っていません。
また街頭での募金活動の場合、協会よりポスターやボランティアシール、資料などの正式な活動ツールが使用できるようになっているので、それらを目印として判断する方法もあります。
安心できる団体を見極めるポイント
過去には難病の子どもを救うという名目で募金活動を装い、お金をだまし取るという事件もありました。
本当に困っている人達にとっては非常に迷惑な行為であり、善意で募金や寄付を行った人を裏切るものです。
このような詐欺が横行すると何を信じていいのか分からなくなり、これまで私たちの間に根付いてきた「助け合い」という大切な行為が失われることになりかねません。
怪しい寄付や募金を避けるためには、ある程度名前が知られている企業や活動実績のある団体などを選ぶようにしましょう。
災害募金の場合は新聞社やテレビ局を介して義援金を送ることができます。
報道番組や情報番組の番組中や、HPなどで振込先の案内をしているので、こちらも検討してみるといいでしょう。
有名で活動実績のある募金団体
日本ユニセフ協会
日本赤十字社
あしなが育英会
赤い羽根募金
Yahoo!ネット募金
歳末助け合い募金
HPなどに収支報告などをきちんと載せているかどうかも重要

募金や寄付金がどのように使われているのか、その収支がきちんと公開されているかどうかも見極める大事なポイントと言っていいでしょう。
募金活動には募金活動事業費、啓発宣伝事業費や事務運営費なども必要です。
募金や寄付で集めた金額に対し、それらの割合が適切かどうか判断することも大切です。
現金以外で行う寄付のカタチ
現金での寄付や募金に抵抗を感じる場合は、今まで処分していたものを誰かのために役立てるという方法もあります。
ここでは子ども達にもできる取り組みについてご紹介します。
ペットボトルのキャップを集める
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イオンや大丸松坂屋など大手企業も参加するプロジェクト。
店頭などでペットボトルのキャップを回収、それをリサイクル業者に買い取ってもらい、その売却益で開発途上国の子どものためのワクチン接種に役立てています。
捨てられることの多いキャップですが、きれいに洗って店頭に持って行くだけで、世界の子ども達の命を救うことができるのです。
最近では学校の生徒会活動やPTAなどでも寄付を募っている場合があります。現金を直接扱わないので、子ども達でも参加しやすいプロジェクト。
もっと広く浸透してほしい寄付のカタチと言っていいでしょう。
古着deワクチン
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不要になった衣類、バッグ、靴、服飾雑貨(ハンカチ・ネクタイ・帽子・ベルト・マフラー・アクセサリー等)を寄付することで、開発途上国の子ども達にポリオワクチンを届けることができます。
回収キットを申し込むと3,000円程度かかりますが、不要な物を寄付することで家の中もスッキリ。
捨てると思うと躊躇しがちですが、誰かの役に立つと思えば寄付しやすくなります。
専用キットの封入れ作業は障がい者の方の雇用にも繋げているとのこと。
今まで捨てていた物を「誰かのために役立てられる」機会を、積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
ユニクロやジーユーのリユース

このほかにも身近なところではユニクロやジーユーのリユースも良く知られています。
両店舗で販売された全商品が対象です。
店頭で回収された不要の衣類は着られる物はリユースへ、着られない物は工業用繊維などに役立てられます。
着られる衣類は季節・男女・サイズ、さらに現地の文化や宗教などにも配慮して届けられます。
主な寄贈対象は難民や緊急災害支援、妊産婦や母子への支援となっています。
寄付の新しいカタチ「クラウド・ドネーション」
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「クラウド・ドネーション」とは、個人の寄付者と各種社会活動団体をつなぐクラウドサービス。
世界の若者たちを応援するアプリ「COW(カウ)」を運営するカウ株式会社が、そのノウハウをいかして新しい社会貢献のカタチの実現を目指しています。
一番のメリットは寄付がスマホ上で完結するという手軽さです。
また中間手数料を無料にすることで、事業規模が小さくファンドレイジングなどの活動ができない団体でも参加しやすくなります。
振込みが面倒、手間がかかるといった事情で寄付ができなかった人にとってはうれしい取り組みです。
こういった新しい寄付のカタチが、これからも増えてくるのかもしれません。
寄付や募金に疑問を抱いたら、考える時間を持つ
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「何かのカタチで役に立ちたい」
そんな思いを人から人へとつないでいく寄付や募金。
一方でその思いを踏みつける詐欺が増えているという悲しい現実。
騙されないようにするためには、面倒であってもひとつひとつしっかり確認することが大切です。
寄付や募金はその日、その時だけしか受け付けないということはほとんどありません。
「怪しいかも…」と思ったら、考え直す時間を作る冷静さも必要です。
まずは家族や友人に相談したり、ネットで確認したりするよう心がけましょう。(執筆者:藤 なつき)